「不登校」を経験していることが、入試や就活では逆に“アピールポイント”になりうる深い理由
※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください 一方で、高校の内容は高等教育。中学までに必要な学習内容を学んだことが前提で、その上でもっと学問を修めたいと希望する者に対し行なわれる教育なので、高校のカリキュラムには中学までの復習は基本的に含まれず、その上に積み上げるものになります。 「義務教育の終わる中3の終わりまでに、しっかりその内容を理解して同じスタートラインに立つ」ことは、その先の大学受験を考えたとき、実は大きな意味を持つものなのです。
【理由3:教科書1冊は1カ月で習得することが可能です】 生徒に、「教科書1冊は、1カ月くらいで習得できるよ」と言うと、目を丸くして驚かれることがあります。 「学校では教科書を1冊学ぶのに1年かけているのだから、やっぱり教科書1冊学習するには1年かかるでしょ?」と言われるのですが、この「教科書1冊1年」という固定観念、本当にそうでしょうか。 ■「短期で学習する利点」は実はとても多い 学校も、1年のうちおよそ3カ月は長期休暇や行事、テスト等で授業がありません。また、土日などの休みをのぞくと、本当に授業をしているのは半年程度。そして、その半年間、生徒たちは本当に主体的に授業に取り組んでいるでしょうか。
私自身の中学時代を振り返ると、絶対に「はい」とは言えません(笑)。中間・期末テストがあるたびに、「もっとよく授業を聞いておけばよかった」と反省しながら「はじめまして」の気持ちで教科書を読むことも多かったです。 そして、教科書1冊は書籍1冊分。冷静に考えれば、1カ月で十分に理解できる量です。小説を読むときに、数ページずつ1年かけて読むとすると、私は「この人誰だっけ? どんな設定だった?」と、忘れてしまう自信があります。そうなると、感動どころではなく、「わからなかった」になってしまうと思うのです。
小説を読むときには、ある程度まとめて一気に読みたい。忘れないうちに記憶の上書きをして知識を構築し、ちゃんと感動したい。それと同じで、短期で学習する利点は実はとても多いのです。 無理やり詰め込まなくても、毎日長時間勉強しなくても、理論に沿って丁寧に整理しながら学習すれば、教科書1冊は1カ月で十分に習得できます。
植木 和実 :不登校専門オンラインプロ家庭教師イエローシードラビー代表