「不登校」を経験していることが、入試や就活では逆に“アピールポイント”になりうる深い理由
「不登校の子にとって高校入試はビッグチャンスなんです」。そう語る、不登校専門オンラインプロ家庭教師イエローシードラビー代表の植木和実氏は、同時にまた「1年あれば、たとえ小学校から不登校でも、中学までの学習内容を習得することは可能」だともいいます。 そんな植木氏の著書『これだけで大丈夫! ずっと不登校でも1年で希望の高校に合格する方法』から一部を抜粋・編集して、不登校の子ならではの「意外な強み」と、1年で高校入試に対応できる理由について解説します。 【図で見る】小・中学校までと高校では、教育の「仕組み」が全然違う
■高校入試は勉強を始める「最大のモチベーション」 本稿では、不登校の子が高校受験にチャレンジするにあたり知っておいてほしい、勉強全般への姿勢やコツ、心がまえをお話しします。 最初に知っておいてほしいのは「高校入試はビッグチャンス」ということです。どういうことか説明しますね。 これまでたくさんの不登校の子どもたちを教えてきましたが、多くの場合、中2の夏くらいになると、生徒たちから高校についての質問が出始めます。
「高校ってどんなところ? 選び方、わからない」 「いままで不登校でも、行けるの?」 「毎日どれくらい勉強したら行ける? 10時間くらい?」 「叶うなら、大学は慶應に行きたいけど、まだ可能性はある?」 と、前向きに表現する子たちもいます。 一方、自信がなくてあきらめてこんなふうに表現する子もいます。 「みんなは毎日勉強しているのに、自分は勉強してこなかったから、どうせ無理」 「いまから毎日8時間くらい、やらなきゃいけないと思ってる。でも、自分はどうせできない」
「どうせ、通信制高校くらいしか行けない」 「人生終わったから、もういい」 でも、「合格したら行く?」と聞くと、多くの生徒が「それは、行く」と答えます。 実は、生徒たちは、私たち大人が感じている以上に高校のことや将来のことを考えています。しっかりと、「中学を卒業したら、義務教育からはずれる」ことを認識し、口に出さなくても「どうやって社会に出ていったらいいんだろう」と不安になっているのです。 でも、そんなふうに将来について子どもが不安になっているときこそ、つまり、中学卒業、高校入試こそ、自分の将来について真剣に考え、言葉にし、戦略を練り、嫌いな勉強を始める最大のモチベーションになるのです。