43歳、この年齢で始めて「一人で映画」に挑んだ趣味ゼロの私。そこからみるみる「驚くばかりの世界」が広がっていく一部始終
「これができたら何でもできる」。大みそかの60kmウォーキングでさらなる自信が
人生初の一人映画をこんなに楽しめたことで、これまで「一緒に行ってくれる人がいないから」と諦めてきたたくさんのことがらが、一瞬で「一人でもできる挑戦のリスト」に変わりました。 いちど成功体験を得ると、人はどこまでも遠くへいきますね(笑)。なんと、その年の大みそかには、一人で「伊勢神宮初詣ウルトラウォーキング」に参加しました。歩く距離はなんと60km! 昼くらいに無人駅に集合して、そこから田んぼの中を延々と歩いて、山を2つ超えて、元旦の朝に伊勢神宮に到着するんです。最初は純粋に楽しかったのですが、そのうち休憩スポットで止まると、真冬だから本当に寒くて寒くて……。指先や足先が凍えそうになりながら、黙々と歩きましたね。寒さもあって、結構過酷だったので「早く終わってほしい」と何度思ったことか……。 道中、眠すぎて、斜めに歩いているのをスタッフさんが正してくれて、「眠りながら歩くことってできるんだな」と、発見もあったり(笑)。いつも伊勢神宮には車で行くので、内宮と外宮は近いと思っていたんですが、歩いたらこんなに離れていたんだという新たな発見がありました。ご夫婦で参加される方が多かったですが、一人参加も何人かいて、全然、淋しくはなかったですよ。 車で迎えに来てくれた家族からは、「意外とピンピンしているね」なんて言われましたが、伊勢神宮に着いたときには、くたくたに疲れ果てて、抜け殻状態でした。伊勢神宮にも参拝せずに、ゴール地点に用意されていた伊勢うどんを食べて、すぐに帰りました。 普段、娘が将棋をやっているので、将棋大会に付き添って、知らない土地に行くことが多いんですが、このウォーキングに参加した後は、数kmの距離ならもう全然、歩ける! 東京・千駄ヶ谷の将棋会館に行ったときには、明治神宮や渋谷駅のハチ公を見に、一人で散歩に出かけました。60kmという距離を歩いたことで、「あの距離を歩いたんだから、何でもできる!」って思えて、何をするにしてもハードルが低くなりました。 ここまでの前編記事ではジュンコさんの「一人映画」や「60kmウォーキング」の体験後に生まれた心の変化について伺いました。続く後編記事では「サバゲー」や「空を飛ぶ」ことに挑戦してさらに世界が広がった話を教えてもらいます。
ライター 野添ちかこ