新型ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4は、最強のオール・イン・ワンだ! 大きく進化したミニの新しいカタチとは
フルモデルチェンジ、かつ名前も変わった新しい「ミニ・カントリーマン」の、高性能バージョン「ジョン・クーパー・ワークス」にサトータケシが乗った! 通常モデルとの違いに迫る。 【写真を見る】新型ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4の細部(16枚)スポーティな専用装備に注目!
普段はおだやか
ミニ・カントリーマンがミニ・クロスオーバーからネーミングを変更した理由や、ひとまわり大きくなったサイズ感、パワートレインのバリエーションなどについてはミニ・カントリーマン S ALL4の試乗記に記したとおり。 ここで紹介するのは、最高出力317psを発生する排気量2.0リッターの直列4気筒ガソリンターボエンジンを積む最強版、ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4だ。 これまでのミニのジョン・クーパー・ワークスといえばハバネロ級のホットハッチだったから、乗る前にストレッチ体操をして体をほぐし、気合を入れてスタートする。けれども新型カントリーマンのジョン・クーパー・ワークスは、意外や平和な走りで、ちょっと肩透かしを食らう。 足まわりのセッティングを自在に変えて最適化するアダプティブサスペンションは、ジョン・クーパー・ワークスのキャラに合わせて引き締まったものになっている。ただしクルマづくりの手練れが上手にしつけているようで、突起状の路面のつなぎ目を越える瞬間、「ビシッ!」という衝撃を覚悟していたのに、サラッといなしてくれた。4本の足がしっかりと伸び縮みしていることと、衝撃が一点に集中するのではなく車体全体へ上手に分散していることが伝わってくる。 新型カントリーマンは、おなじボディを用いるBEV(バッテリー式電気自動車)もラインナップする。重たいバッテリーを積むために、BEVの場合はより強いボディが求められる。そこに対応するために車体の剛性を引き上げたことが、乗り心地にもよい影響を及ぼしているのかもしれない。 つなぎ目を越えた後に、ボディの上下動が一発で収束するのも好印象で、常にフラットな姿勢を保ってくれてふらふらしないので、ステアリングホイールを握っていて気分がいい。 2.0リッターで317psと、かなりチューンの高いエンジンであるけれど、気難しい素振りは一切見せず、発進加速から豊かなトルクで車体を押し出す。7段DCTのトランスミッションもジョン・クーパー・ワークス専用のセッティングが施されているけれど、シフトショックが大きいわけでもなければ、無駄に高回転まで引っ張るわけでもない。 これは、ホットハッチというよりクールハッチではないか、いままでのジョン・クーパー・ワークスに比べるとちょっと薄味かもと思ったけれど……。