パリで星を獲った日本人シェフが凱旋帰国。東京で探すフランス料理の新境地とは⁉
日本人でありながらフランス料理の本場パリで活躍していた北村啓太シェフが帰国。自身の想いとこだわりをいっぱいに詰め込んだレストラン「apothéose(アポテオーズ)」とはどんなお店? 美食のネタ帖
フランスで日本人が星を獲ることの難しさ
本連載でもご紹介している小林圭シェフはご存じの通り、アジア人として初めてフランスのミシュランガイドで3つ星を獲得した料理人。ですが、フランスには他にもミシュランの星を獲得している日本人シェフがいまして……たとえば2009年に日本人初の2つ星を獲得した佐藤伸一シェフ(当時「Passage 53」)や、2016年に「Restaurant PAGES」で1つ星を獲った手島竜司シェフ、2018年に「Etude」で同じく1つ星を獲った山岸啓介シェフなど……みなさん、日本人でありながらフランス料理の本場で活躍し、ミシュランガイドにお墨付きをもらっている凄腕のシェフたちです。
北村啓太シェフは1980年滋賀県生まれ。1999年辻調理師学校卒業後、小田原「ラ・ナプール」、「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」にて8年間成澤由浩シェフに師事。2008年渡仏。パリ8区「ピエール・ガニェール」、パリ7区「シェ レザンジュ」などの名店を経て、2011年パリ7区「オウ・ボン・アクーユ」にてシェフに就任。2017年6月から約6年間パリ2区「エール」にてシェフを務め、2019年より5年連続ミシュランガイドフランスにて1つ星を獲得。2023年フランスから帰国し「アポテオーズ」をオープン。
今回ご紹介する北村啓太シェフもそんなスターシェフのひとり。2008年に渡仏し、「ピエール・ガニェール」や、「シェ レザンジュ」などの名店を経て、2017年から約6年間「ERH(エール)」にてシェフを務め、その内5年間は連続してミシュランの1つ星を獲得していました。順調な料理人生を送っていた北村シェフですが、このたび2023年に帰国。多くの日本人シェフがそのままフランスで活躍し続けているのに、北村シェフはなぜ帰国したのか? 23年11月にオープンした北村シェフが率いるレストラン「apothéose(アポテオーズ)」にてお話を聞きました。