JR東日本社員の情熱で実現。“駅メロのカリスマ”が語る、最新駅メロ「JR-SHRシリーズ」制作秘話
作曲家の塩塚博さんは駅メロのカリスマとして、駅メロ制作会社・株式会社スイッチの小川洋一さんとタッグを組み、30年以上にわたって数多くの駅メロを生み出してきました。 電車が発車するときのサインとして生み出されてきた駅メロは、やがて全国の駅に波及。やがて地方ならではの個性が凝縮した、ご当地駅メロも生まれるようになりました。 令和に生まれた最新駅メロディー作品「JR-SHRシリーズ」の制作秘話や、“鉄のみゅーじしゃん”塩塚さんの仕事術に迫ります。
最新駅メロディー作品「JR-SHRシリーズ」
塩塚さんが手掛けた駅メロの中でも、特に多くの乗客の耳に触れているのが、JR東日本各線で使用されている「JR-SHシリーズ」でしょう。「SH」は、塩塚のイニシャル「Shiozuka Hiroshi」に由来します。 1993年から長年親しまれていた「JR-SHシリーズ」ですが、30周年となる2023年に、最新駅メロディー作品「JR-SHRシリーズ」がJR東日本で導入されました。 「JR-SHRシリーズ」の誕生の裏には、塩塚さんの熱心なファンで、大人になってJR東日本に入社した社員の働きかけがありました。依頼を受けた小川さんは、「作曲家は塩塚さんをご指名でした」と回顧します。
小川「塩塚さんの『JR-SHシリーズ』を聴いて感動したという方がJR東日本に入社し、爆発的な人気を誇った『JR-SHシリーズ』を復活させたいとおっしゃってくれて。 令和の『JR-SHシリーズ』だから、タイトルは『JR-SHRシリーズ』にしたいと名前も決めていましたね」 小川さんによると、近隣住民や利用者が慣れ親しんだ駅メロを変更するのは、かなり大変なことなのだとか。塩塚氏も、「初めて駅メロを作曲した1993年から現在までの30年以上にわたって、変わらずに使われ続けている駅メロがなんと多いことか」と指摘します。 ですが、熱心な塩塚さんのファンの頑張りが実を結び、外房線と総武快速線に導入されたもの以外は、成田線我孫子支線で使用されるに至りました。