障害者の視点から学ぶ インクルーシブデザインのワークショップ【長野市】
障害者が感じる日常生活の「不便」。健常者がその不便さに気付くことで、誰にとっても生きやすい社会を実現しようと、長野市でワークショップが開かれました。 ■中野希友未アナウンサー 「JR長野駅前です。こちらでは、視覚障害のある人と一緒に街を歩き、障害のある人にとって何が不便なのか、というのを一緒に考えるワークショップが行われています」 一緒に街歩きするのは、全盲の視覚障害を持つ久保博揮さん。昼食のためレストランに向かおうとしますが、スマートフォンの音声案内は… ■音声案内 「南東方向に長野市の長野市道長野西944号線を進んで、長野大通りに向かいます。次に曲がるまで約22mです」 ■久保博揮さん 「今ね、優しくないこと2つ言って、まず南東ってどっちだよって話。地元民じゃない人に、長野なんとか通りって言われても訳わからない」 長野市で開かれた「インクルーシブデザインワークショップ」。 「インクルーシブデザイン」とは、企画や制作段階から障害者と一緒に検討し、すべての人にとって利用しやすく設計されたものやサービスのことです。 会社員や学生など26人が参加し、車椅子の利用者や視覚障害者と一緒に街を歩くことで健常者の目線では気付かない課題を見つけ、解決のためのサービスを考えました。 ■久保博揮さん 「皆さんも知らず知らずに、諦めてしまっていたり、知らず知らずに不便に感じて道に迷ったりということもあると思う。私たち障害者の視点から、皆さんにも普遍的な社会課題として解決すべきものが、街の中にあるんだよというのを感じてもらうといいなと思っています」 ■参加者 「健常者からの視線で、障害者に対しての配慮になってしまっているので、ここが不便とか、生の声が聞けているので、良い刺激と勉強させてもらっています」 ■参加者 「ただ普通に生活している分には、全く問題ないところが、目が見えない方がこんなにもストレスを抱えてるんだなって改めて感じて、もっとそういうところも知らなきゃと思います」 ワークショップは、県が実施する「県民参加型予算」の一環で開かれました。 ■シューマート・霜田清社長 「なかなか企業では、障害者はこういうことしかできないだろうという固定観念でみてしまうんですけれども、きょうのワークショップで、想像的な仕事であればどんな可能性でも広がっていく、そんなことを体験してもらえればと思ってます」 障害者と健常者が共に自分らしく生きる社会の実現を目指しています。