石井寛子が最後方から抜きさり2度目のガールズグランプリ制覇 レース中「いい位置すぎて、この状態はなんだろう」と驚き
「昨年はグランプリに出られませんでしたが、そこからの1年も応援していただきました。こういう形で(その応援に)応えられて、ファンの方たちも喜んでもらえていると思うので、うれしいです。7月までは賞金ランキングが低く、グランプリは走れないんじゃないかと思うこともありましたが、本当にいろんな方からパワーをもらえました」 2着は佐藤。ケイリン世界女王はガールズケイリンでも今年は15戦無敗だったが、最後の大舞台で土がついた。「前が空いていたので前に入りました。もちろん勝てたらよかったですが、後悔はありません」と振り返る。来年2025年に目指すのはグランドスラム。「獲れていないタイトルを獲りたいです」と前を向いた。 3着は尾崎。「やりたいこと、考えていたことはできたと思いますが、脚(力)が足りなかったです」と悔しげな表情。6年ぶりのグランプリ出場で初のビッグタイトルを狙ったが、来年に持ち越されることになった。 長くガールズケイリンをけん引してきたレジェンドの勝利で幕を閉じたガールズグランプリ2024。「80歳まで現役を続けたい」とことあるごとに口にしている石井にとって、これも通過点のひとつだ。2024年を最高の形で締めくくり、「1年間支えてもらったので、(来年は)それを返せるような1年にしたいです。感謝を込めてまた一戦一戦頑張ります」と、女王として迎える2025年を見据えた。 【Profile】石井寛子(いしい・ひろこ)1986年1月9日生まれ、埼玉県出身。中学時代は陸上に励み、高校から自転車競技を始める。大学1年からナショナルチームにも在籍。大学4年時にACCトラックアジアカップのケイリンで優勝する。数々の世界大会で活躍し、2013年にガールズケイリンデビュー。初年度からガールズ最優秀選手賞に輝き、2017年にはガールズグランプリで優勝を飾る。2024年1月にはガールズケイリン史上初の600勝を達成。2年ぶりに出場したガールズグランプリ2024で2度目の優勝を果たした。
加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro