アセットマネジメントOneが考える日本株の5つの着眼ポイント、次の選択肢たり得る日本株ファンドとは?
そして、「国内経済」が、デフレを転換し成長経済に正常化してきたことをあげた。「従来は円安によって輸入価格が大きく上昇した際にも、日本の経営者は価格を変えないで利益を出す方法を考えていたが、今は、価格を上げることをためらっていない。その結果、賃金を引き上げることができるようになり、賃上げによって国内消費が刺激されるという循環が生まれている」と語り、今後、実質賃金がプラスに定着することによって、この良い循環が回り始めると期待していた。
さらに、「企業経営」は2013年の「日本再興戦略」の発表以来、10年以上の歳月をかけてコーポレートガバナンス変革に努め、ついに、東証が打ち出した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」という『東証イニシアティブ』によって大きなうねりが起きているとした。「東証の改善要求は、口うるさい上司のように、毎月、開示企業一覧の公表リストを更新する念の入れようとなっている。もはや、上場企業は嫌でも取り組まざるを得なくなっている」として、これも企業を変える力になっていると評価した。
最後に「株主」の変化をあげた。「運用会社も含めて、インベストメントチェーンを回すために、株主がしっかりと役割を果たすという意識が高まった」とする。機関投資家は議決権行使基準を設け、それを公表し、さらに、実際の株主総会で企業側の提案に反対を表明することも増えている。この結果、「企業は、従前の期待を上回る企業価値向上を示すことが必要になっている」とし、それが、結果的に企業の成長を促す力につながっているとした。
このような大きな変化が起こっている日本の株式市場は、簡単には上昇基調が崩れるようなことはないという見方だ。日経平均株価が1日で1000円を超える下落に見舞われるようなこともあるが、「現在の水準で起こる調整安は良い買い場になると考えられる。様子見で市場から身を引くのではなく、市場に居続けることが大事だ」と語った。