エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 後編
マツダCX-7
(翻訳者注:この記事は後編です。前編とあわせてお楽しみください) パワフルなガソリンエンジンを低出力のディーゼルに換装するのは、一見ネガティブな出来事のように思われる。しかし、英国仕様のマツダCX-7の場合は正しい決断だった。 【写真】大排気量ディーゼルを積んだ2.6トンの大型SUVがこちら【アウディQ7 V12 TDIクワトロを写真で見る】 (12枚) 英国仕様のCX-7には当初、高性能モデルのマツダ3 MPS(日本名:マツダスピード・アクセラ)やマツダ6 MPS(同:マツダスピード・アテンザ)と同じ最高出力238psの2.3L直4ガソリンエンジンが搭載されていた。欧州仕様ではこれと並んで、2.2L直4ターボディーゼルも用意されていたが、英国では日本と同じようにガソリンしか設定されていなかった。 ただ、2.3Lガソリンはスポーティだが燃費が悪く、販売の足を引っ張っていた。そのため、発売から2年後の2009年に英国向けラインナップから外され、欧州と同じ2.2Lディーゼルが導入された。車両価格は上がり、驚くことに最高出力も85psほど低下してしまったが、減税の対象となり、燃費も約4km/l(公称値)改善された。その結果、現地のニーズに見合ったモデルに生まれ変わったのである。
メルセデス・ベンツAクラス
第3世代のAクラスでは、ほとんどのモデルに最高出力100~210psの複数のエンジンが搭載されている。しかし、発売から1年後、四輪駆動のA 45 AMG(後にメルセデスAMG A 45に改称)が導入された。 その直進加速性能は飛躍的に向上した。最高出力は70%アップの360psに達したが、さらに改良が加えられていき、最終的に381psにまで上昇した。現行世代でAクラスでの最速のモデルは、型こそ違うものの最高出力421psを発生する4気筒エンジンを使用している。
メルセデス・ベンツRクラス
「あらゆる製品にあらゆるエンジンを搭載する」というメルセデス・ベンツの矜持に従い、大型ミニバンのRクラスにも、最高出力510psの6.2L V8エンジンを搭載するR 63 AMGが導入された。標準車の発売から1年後、2007年のことである。 確かに、人や荷物をたくさん載せるミニバンにはパワフルなエンジンがうってつけだが、こればかりは類を見ない試みだった。R 63 AMGでは、必要とされるパワーをはるかに上回っていた。販売台数はごくわずかで、あっという間にカタログから姿を消した。