京都発の国産時計ブランド“KUOE(クオ)”【ブランド初のダイバーズウオッチ】創設者に直撃取材で魅力を深掘り
ブランド創設者の内村健二氏が、ロンドン留学中にアンティークウオッチに出合ってその魅力に取りつかれたことからはじまったクオは機械式時計の黄金期である1940~70年代の時計デザインにフィーチャーしつつ、現代的にブラッシュアップしたタイムピースを手がける国産マイクロブランドだ。 実際のアンティークウオッチは非防水のものが多く、メンテナンスの負担も大きい。クオには、トラディショナルなデザインの時計にもっと気軽に触れられるようにという想いが強く込められている。 日本の伝統が息づく京都でブランドを創設したのは2020年のことだが、企画から製造・販売まですべてを管理するビジネスモデルを確立して、クオリティの高いタイムピースをリーズナブルな価格で提供する体制を整えたこともあり、海外からの注目度も高い。 【画像】全5種で展開される文字盤カラー
「メインはケース径34~35mmのボーイズサイズです。アンティークウオッチの日焼けした、黄色みがかった文字盤の色味を表現することは非常に難しく、Pantone(パントーン)を使ってサプライヤーと何度もサンプルを作成しました。文字盤は表面に凹凸加工のあるモデルもあるのですが、これらは真鍮(しんちゅう)を機械でプレスすることで作られています」(ブランド創設者・内村健二さん)
新作ソンブレロは、インナーベゼルや大きなリューズを搭載したオールドダイバーズ風のデザインが目を引く。38mmサイズのためダイバーズとしては小振りだが、それだけにシチュエーションを選ばずに使えるだろう。5種類揃ったカラバリもクラシカルな色味で雰囲気がいい。また2万A/mまでの耐磁性能を備えている点も見逃せない。 「オリエントやロンジンなどのアンティークモデルから着想を得ました。ヘアライン加工とポリッシュ加工の二つの異なる加工を用いることで、時計ケース全体に奥行きを感じさせるデザインに仕上げています。 クオの時計はすべて京都の自社工房で組み立てており、必要な分だけ製造することが可能です。それは売れ残りの発生を防ぐことにつながります。売れ残りのリスクがないため、様々なカラーやデザインに挑戦することができるのです。 ソンブレロでは文字盤にリネン(絹目)テクスチャーを採用しました。これは文字盤表面に縦方向と横方向のブラッシュ加工を加えた文字盤です。無骨になりがちなダイバーズウオッチに、ドレッシーな上品さを加える意図でこのリネンテクスチャーを採用しましたが、非常にうまく融合してくれたと感じています」 クラシカルな雰囲気をしっかりと漂わせながら、防水性能は200mと非常にハイレベル。インデックスもルミノバ塗装で視認性が高く、現代社会での実用性に即したモデルと言える。 【問い合わせ先】クオ グローバル info@kuoe-jp.com
文◎Watch LIFE NEWS編集部