外国人受け入れで試行錯誤の群馬・大泉町 日本語教育やイベントで支援、「育成就労」法成立
約30年にわたって外国人の受け入れを続けてきた群馬県大泉町は官民で試行錯誤を続けてきた。日本語教育、多言語対応、地域と外国人の交流会、国際色豊かなスーパーや多国籍な町柄を生かした観光誘致…。多様な取り組みが、着実に外国人の定着を促してきたのも事実だ。 【図で解説】技能実習と特定技能の制度改革 「これは?」 「お!」 6月初旬の夜、大泉町公民館南別館で開かれた外国人向けの勉強会で、ベトナム国籍のファム・ヴァン・ヒェウさん(34)が息子と友人のブラジル人の娘に、ひらがなが書かれたカードで日本語を教えていた。 愛知県から引っ越してきたファムさんは「愛知では仕事が終わるとアパートで過ごしていたが、大泉ではみんなと話せて楽しい」と笑う。 町では外国人住民のニーズに応え、スーパーも充実している。 肉などの生鮮食品には多言語で説明書きがあるほか、ブラジルやベトナムなどの保存食や菓子、洗剤などが所せましと並んでいる。 多国籍な国柄を生かし、町内では2カ月に1度程度、各国のグルメや音楽を楽しむイベントを開いている。 料理はブラジルの焼き肉料理「シュラスコ」、ベトナムの生春巻きから日本の焼きそばまで。ステージも多彩で、居合術にフラダンス、サンバと、国際色豊かだ。 主催する大泉町観光協会の中山正樹事務局長は「海外に行かずに色んな国の文化を感じられる」とメリットを強調する。 5歳のときにブラジルから来た日系人のヤマカワ・レイコさん(34)は「大泉町は日本語教育などの支援があり、安心できる」と話した。