医者が「二浪」してわかった、「努力できる人」と「努力できない人」の間にある”残酷すぎる現実”…!
厳しい競争を努力で乗り越え、就く職業がある。医者はその一つであり、医学部試験を突破することはかなりの難関だ。浪人を重ねても合格できない人が多くいるところに、医学部試験の難しさが表れているだろう。 【写真】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する! 「泣くな研修医」シリーズでベストセラー作家になった中山祐次郎氏は、みずから二浪をして医学部に合格した張本人だ。そんな中山氏が二浪したことで悟った「努力論」が、興味深い。そんな「努力」の本質を、みずからの3歳の息子に書き残した『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』が3万部突破のヒットとなるほど、話題になっている。そんなヒット本からお届けしよう。
「本当の努力」とはなにか…?
努力について、君に伝えたいことが二つある。 一つは、激しい努力は君を決して裏切らないということ。逆に言えば、努力が足りなければ目標を達成することはできないということだ。 僕は高校を出てから2年間、予備校に通い毎日勉強をした。最初の1年間は、必死に勉強したつもりだがなかなか成績は医学部レベルに届かず、苦しい思いをしていた。周りの友達は医学部を目指してはいたが、どこか真剣味がないような気がしていた。僕は彼らに流され、たまにカラオケに行ったり公園で語り合ったりしていた。友達の女の子に嫌がらせをする男と、裏の駐車場でケンカしたこともあった。 秋になり、テストがあった。結果は「国立大学医学部 E判定」。判定にはAからEがあり、Eはまず受かりませんよ、という成績だ。もう秋だ、本番まであと半年もない。 くらくらとめまいがした。僕はローソンの前で友達の吸うタバコをさっと取ると左手の甲を焼いた。じゅっ、という音がした。熱さは感じず、代わりにびりびりとした痛みが脳まで駆け巡った。これを絶対に忘れてはいけない。僕は医者になる、そのために浪人して今ここで勉強をしているのだ。今も僕の左手には跡が残る。 それだけでは足りず、会長という変なあだ名の一歳上(つまり二浪中)のヒョロリと背の高い男の家で坊主にした。会長は「ゆうじろう、坊主じゃだせえよ」と言って脱色剤を持ってきた。僕は短い髪を金髪にした。 「こんなヤツは医者にしちゃダメだな」 今思い返してもアホとしか言いようがない。その時間を勉強に充てろ、と言いたい。結局のところ、僕はポーズばかりで本当の努力から逃げていたのだ。