【薬を飲まずに食事で改善!】イライラ・疲れやすい…メンタルヘルスのために「摂るべき栄養素3つ」を詳しく解説
メンタルの問題は病院に通い必ず薬を飲まなきゃダメ? と思っているならそれは間違い。もっと重要なものがあります。それが食事。「心の病気には、食事が影響しています」と話す栄養専門精神科医の奥平智之先生に、心の健康に必要な栄養素の中から、今回は3つの栄養素を詳しくご紹介します! 【栄養素診断】あなたに不足している「栄養素」は?
教えてくれたのは…奥平智之先生
日本栄養精神医学研究会 会長・医療法人山口病院 副院長 栄養専門精神科医
心の健康に欠かせない必須の栄養素:「亜鉛」
栄養専門精神科医 奥平智之先生 亜鉛不足に伴ううつ症状は、少なくありません。それは、亜鉛が脳に影響をおよぼす酵素や脳内ホルモン(神経伝達物質)の生成を促す働きがあることが関係しているというのがひとつの理由。記憶の中枢である海馬に亜鉛が多く存在しており、長期的に欠乏することで記憶力の低下にもつながる可能性があります。 また、亜鉛が欠乏すると、味覚異常を招く恐れも。薄味に感じる、味がヘンに感じるようなことがあれば、亜鉛不足のサインかもしれません。アルコールの過剰摂取や心身のストレスは、活性酸素や炎症をもたらし、それを打ち消すために亜鉛の必要量が増すため、お酒を飲む機会が多い人やストレス環境に身を置きがちな人は、積極的に摂るほうがいいでしょう。
心の健康に欠かせない必須の栄養素:「マグネシウム」
栄養専門精神科医 奥平智之先生 マグネシウムが不足するとうつ症状や不安な気持ち、慢性的な疲労、緊張を感じやすくなります。ストレスがあると、ビタミンやミネラルが消費されます。マグネシウムも、心身のストレスで消費されたり、尿からの排泄が増したりするため、マグネシウムが不足しやすくなり、心のプチ不調の悪循環に繋がります。加工食品をよく食べる人も注意が必要。加工食品に広く使われているリン酸塩は、マグネシウムや亜鉛などのミネラルと結合し吸収を阻害するため、マグネシウム不足にも繋がります。 マグネシウムには、さまざまな消化酵素の働きをサポートする役目も。消化酵素の働きが弱まると、消化吸収力が落ち、心を健やかに保つために必要な栄養素の吸収が低下する可能性があります。 また、マグネシウムは、睡眠にもいい影響があります。マグネシウムを毎日しっかりとると、筋肉がゆるんで眠りやすくなるだけでなく、胸が開いて、深い呼吸をしやすくなり、リラックスにもつながります。おやすみホルモンのメラトニンの産生にも大切です。
心の健康に欠かせない必須の栄養素:「ビタミンD」
栄養専門精神科医 奥平智之先生 亜鉛やタンパク質もですが、ビタミンDが不足するとリーキーガット症候群の一因になります。リーキーガット症候群は、小腸の保護役を担う粘膜の上皮細胞間の結合が緩み、本来は体内に取り込まれない腸内細菌や毒素、未消化のタンパク質などが体内に入っていろいろな症状を引き起こします。うつ状態や認知の低下などの原因にもなります。室内で仕事をしている女性の約8割は、ビタミンDが不足しているといわれています。 イラスト/二階堂ちはる 取材・文/金子優子 構成/剱持百香 Edited by 剱持 百香
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