4000万円相続したのに「相続税」の支払いを忘れ、期限が「3ヶ月」過ぎていました…どんなペナルティがあるのでしょうか?
相続税は確定申告や年末調整などとは異なり、相続開始日が申告・納付期限の起点となるため、申告はしたもののうっかり納税を忘れてしまうこともあるでしょう。もし期限までに支払わなければ、追加で税金が課される可能性があります。 支払う金額をこれ以上増やしたくないなら、なるべく早い納税が必要です。今回は、相続税の支払いを忘れたときのペナルティーや、支払えないときの対応策などについてご紹介します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
相続税の支払いを忘れるとどうなる?
相続税に限らず、税金の支払いを忘れて期限を超えると、「延滞税」が課されます。延滞税とは、期限から過ぎた日数に応じて利息に相当する税額が課されていく税金です。 延滞税の税率は、滞納をした期間や時期に応じて表1のように変わります。 表1
※国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について」を基に筆者作成 また、延滞税の税額を求める手順は以下の通りです。 1.(期限までに本来納めるべき税額の1万円未満を切り捨てたもの×税率×期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの日数)÷365日(1円未満を切り捨てる) 2.(期限までに本来納めるべき税額の1万円未満を切り捨てたもの×税率×期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降の日数)÷365日(1円未満を切り捨てる) 3.1と2を合算する(100円未満を切り捨てる) 平成30年以前の期間もあるときは、税率が異なるため注意が必要です。また、相続税の申告期限は、相続が開始したことを知った日(亡くなったことを知った日の翌日)から10ヶ月です。期限を過ぎると無申告扱いになり、延滞税とは別に加算税も課される可能性があります。
4000万円相続して納付期限を3ヶ月過ぎたときの税額
今回は、以下の条件で金額を計算しましょう。 ●相続財産は4000万円 ●法定相続人数は1人 ●納付期限は令和6年3月1日 ●実際に支払った日付は令和6年6月1日 まず、相続財産にかかる本来の税額を求めます。相続税の基礎控除は「3000万円+法定相続人数×600万円」なので、3600万円を引いた400万円が課税金額です。400万円のときの相続税率は10%なので、税額は40万円になります。 納付期限の翌日から計算するため、「40万円×2.4%×61日(3月2日~5月1日)÷365日」と「40万円×8.7%×31日(5月2日~6月1日)÷365日」となり、100円未満は切り捨てるので延滞税は合計4500円です。本来の相続税額と合算すると、40万4500円を納付する必要があります。