構えたときの「顔」やロフトだけで選んじゃダメなの!? 今さら聞けないウェッジ選びの基本とは?
多彩なモデルがあるからこそ不得手な人にも合うウェッジが見つかる
プロ・アマを問わずに圧倒的な人気を誇るウェッジにタイトリスト・ボーケイ「SM10」があります。その特長は何といっても豊富なロフト&ソールバリエーションがラインアップされていることです。食わず嫌いのゴルファーからすれば「プロが使っているから難しそう」と思うかもしれません。 【動画】アマチュアがマネすると大ケガ!? プロのスゴさを見せつける桑木志帆のスーパーロブショット これが実際の映像です
でも、プレーしているコースの芝質やバンカーショットの得手不得手などに合わせて、使い勝手がいいと思えるモデルが必ず選べるようになっているのが、大きな特長かつ幅広いゴルファーの支持を得ている理由といえるでしょう。 ところが、これほど用途が幅広いのにウェッジは、ドライバーやアイアンやパターなどの番手と比べると見た目も構造も性能も、大きな変化や進化はしていないように思えます。 もちろん使用している素材や構造、精緻(ちみつ)に彫られている溝などは進化していますが、ウェッジだけは形やサイズがほとんど変わっていません。
それはボーケイ「SM10」だけでなく、ピン「s159」やキャロウェイ「オーパス(OPUS)」も同じ。どうしてウェッジだけ形やサイズが大きく変わらないのか、ウェッジの基本構造やスイングを紐解いて説明しましょう。
最新モデルはロフトが増えても浅&低重心でソール前後でバンスの働きも違う
横から見た時の形が「くさび」に似ていることから名前がついたウェッジ。飛び系アイアンの登場でクラブセッティングの中でのウェッジの本数は増えつつあります。 アイアンのロフトが立っているぶん、従来のウェッジのロフトとの間が空きすぎてしまい、それを埋めるために新たに50度前後のウェッジを入れる人が増えているのです。
ティーアップしてアッパーブローで打つドライバーでは左カカト内側線上にボールを置きますが、その位置で打ってはいけないのがウェッジ。ボールを右足寄りに置いて、ダウンブローかつハンドファーストにインパクトするのが基本です。どのクラブもスイングは同じにすべきといわれますが、ボール位置は同じというわけではないのです。 アイアンセットに含まれているウェッジに比べると、ボーケイ「SM10」を初めとする単品ウェッジはネックが長めになっています。そのぶん高重心だからダウンブローに打たないといけない、というイメージを持ちがちです。 ですが実際にヘッドを計測すると、重心の高さは22ミリ前後、つまり地面にあるボールの中心の高さ(21.5ミリ前後)と同じくらいになっています。 ウェッジのヘッド構造は、ロフトが大きくなるほど実質的に「深重心」になってしまい、元々アドレスから左を向きやすいフェースがさらに引っかけやすくなってしまいます。そこで最新ウェッジは素材や構造の工夫で「浅重心」にし、フェースコントロールをしやすくしています。 ですが、同時に「低重心」でもあるためリーディングエッジ寄り(ソール前方部分)のバンスの助けによって、インパクトでボールをクリーンヒットしやすくしているのです。 人気ウェッジのソールは、ダフリやトップのミスをリーディングエッジ寄りのバンスが防ぎ、インパクト後の抜けをソール後部の形状を工夫することによって実現しています。結果、イメージどおりの振り幅でスイングしやすくなっているのです。