戦力アップ失敗!? J1、夏の補強評価ランキング11~20位。最下位となってしまったのは…
毎年サッカー界を賑わす移籍市場は、世界はもちろん日本でも盛り上がりを見せる一大行事だ。多くのファンが一喜一憂するこの期間は、その年のクラブの成績を左右する大事な時期となる。今回は、先日閉幕した夏の移籍市場で的確な補強を成功させたJ1クラブをランキング形式で紹介する。(文:Nobuya Akazawa|J1全部見るマン)
11位:柏レイソル
【IN】 • 手塚康平[鳥栖/新加入] • 垣田裕暉[鹿島/新加入] 【OUT】 • 山本桜大[栃木/期限付き] • 武藤雄樹[相模原] • 高嶺朋樹[KVコルトレイク(ベルギー)] 柏レイソルの主軸であり、チームの心臓として働いていた高嶺朋樹の海外移籍が痛かったのは間違いない。サガン鳥栖から加入した手塚康平は高嶺朋樹ほどの運動量とトランジションの強度を持ち合わせているわけではないが、そのキック精度とボール保持のビジョンは確かなものがある。速さを選択し続ける柏にとって、手塚の加入はテンポを管理する上で重要な選手となりそうだ。さらに細谷真大への一発回答のスルーパスなどにも期待できる。 さらに柏はもう1人、垣田裕暉を補強している。大柄なストライカーだが、しっかりとプレッシングも行うことができる選手だ。[4-4-2]のハイプレスとミドルプレスを基盤に戦うチームにとって、ファーストプレスラインの強度と上手さは必要不可欠。垣田の加入により柏は高さと守備強度を担保しつつ、クロスからのフィニッシュという選択肢を持つことができるようになった。 じわじわと降格圏が近づいてきている中、今一度守備強度を高めつつ、ショートカウンターからゴールを仕留め切りたいところだ。手塚の加入によってセットプレーという武器も手にすることができた。高嶺の抜けた穴は確かに大きいが、手塚と垣田の加入により戦力アップにも期待できる。
12位:ヴィッセル神戸
【IN】 • 森岡亮太[シャルルロワ(ベルギー)/新加入] • 冨永虹七[讃岐/復帰] 【OUT】 • 寺阪尚悟[岐阜/期限付き] • 浦十藏[愛媛/期限付き] • 櫻井辰徳[水戸/期限付き] 多くのタレントを抱えるヴィッセル神戸に森岡亮太が帰ってきた。ベルギーで確かな爪痕を残した元日本代表は、神戸に落ち着きと展開力をもたらすことができるだろう。 フルスロットルで戦い抜くことが神戸の基本的な戦い方だが、最近の試合はしっかりとエネルギーの出力を管理しながら戦い抜くことができている。特に直近の29節アビスパ福岡戦などは、顕著にそれが現れていた。この戦い方を続けるのであれば、森岡の加入は戦力アップにつながるだろう。インサイドハーフ(IH)ではなく守備的MF(DMF)での出場が多くなると予想するが、彼のビジョンがあれば下からの前進も質が上がるだろう。また扇原のように左右に振り分けながら組み立ても行うこともできる。 ファイナルサードでの貢献にも期待できる。シュートやチャンスにつながるパスの精度は一級品。守備の部分で多少の不安を残す可能性はあるが、組み立てと崩しの両面で確かな戦力となってくれるはずだ。