世界ビール最大手のインベブが10億ドル投資 「有害な飲酒」どうやめる? SDGsが進むソーシャルマーケティングとは
市民らとともに「グッド」な社会に変えていく
ソーシャルマーケティングの話をすると、「ああ、『コーズリレーテッドマーケティング』のことですね」と言われることがあります。コーズリレーテッドマーケティングとは、消費者が寄付を伴う商品を購入し、その寄付金額を使って企業が社会課題解決に取り組むマーケティング活動で、こちらのほうがなじみ深い読者の方もいるかもしれません。どちらも社会課題解決に資するものですが、ソーシャルマーケティングは、社会的価値を第一に考えるところから出発し、市民らと共創して目指す行動への変容を促すことで「グッド」な社会に変えていくのです。 ソーシャルマーケティング研究センターでは定期的にウェビナーや研究会などで知る機会を提供し、様々な企業の方にもご参加いただいています。ソーシャルマーケティングというアプローチが、これからの企業の羅針盤となり、様々な社会課題が解決され、他者への思いやりにあふれる社会の実現の一助になればと願っています。 瓜生原葉子(うりゅうはら・ようこ) 同志社大学商学部教授 ソーシャルマーケティング研究センターセンター長。製薬企業勤務後、京都大学大学院医学研究科助教を経て2022年より現職。京都大学大学院医学研究科客員研究員・非常勤講師、日本学術会議連携会員などを兼務。元欧州経営学会理事。博士(経営学)。専門領域は行動科学、ソーシャルマーケティング。主著に日本NPO学会賞・優秀賞 などを受賞した『行動科学でより良い社会をつくる』(文眞堂)など。公式ウェブサイト「ソーシャルマーケティング」「瓜生原葉子研究室」で情報発信している。