「重課金より大切なのは親の覚悟」教育革命家が語る、中学受験サポートで見落としがちなマインド
◆子どもの失敗を受容できないのは、完璧主義の親
子どもの失敗を受容できない親は「完璧主義」で、自分自身にも厳しい傾向があります。 筆者が主宰しているコーチング塾にも多くの保護者がいらっしゃいますが、その塾生を見ていても完璧主義の人が多く、そんな人ほど「自分は完璧主義じゃない、できていないところがたくさんある」と言います。自分自身においても、できることよりもできないことのほうが気になる、結果を出せないのが許せない人はその傾向が強いでしょう。 まずは保護者自身が、自分の欠点ではなく、いいところやできたことを認める習慣を付けましょう。自己承認ができるようになると他者承認もできるのです。この「失敗を受容できる」マインドこそが、成功を引き寄せるとも言えるでしょう。 子どもが「失敗したらどうしよう」という恐れから勉強するのではなく、「合格したい!」という気持ちからチャレンジするようになるからです。
◆筆者の経験からみる失敗経験の重要性
筆者自身に受験における失敗はありませんが、安全校を受験し、チャレンジをしなかったため、達成感も乏しいものでした。一方で人生の挫折は経験しています。20代の頃に芸人を目指し上京するも、相方に振られたことや周囲の面白いメンバーに圧倒されて、芸人になるという夢をあきらめたことが最大の挫折です。 今となってはあのつらかった経験があるからこそ、どんなときも頑張れるし、踏ん張れることを日々実感しています。失敗や挫折経験はその後の人生においてつらいことを乗り越える本人の強さにつながるのです。 そう考えると「合格」=「成功」ではないのかもしれず、自分のあのときの経験は成功とすら言えるかもしれません。かわいいわが子だからこそ、失敗してつらい経験をさせたくない。 その気持ちは十分分かります。筆者にも娘が一人いますが、受験においては失敗のリスクがあってもチャレンジしてほしいと思っています(中学受験をさせる予定はありませんが)。 一度保護者がご自身を振り返り、なるべく子どもに合った親の無理のない範囲の「課金」をして、親子にとってよりよい中学受験を経験してもらえたらと思います。
▼坂田 聖一郎プロフィール
教員を13年間経験した後、独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングとやさしさを」コンセプトに、子どもたちがイキイキと学べる教育を実現できる世の中を学校の外から作りたいという想いで活動する教育革命家。
坂田 聖一郎(子育て・教育ガイド)