シカやサルがお出迎え! 屋久島の世界自然遺産エリア「西部林道」を歩いてみた
そして西部林道に戻ると、今度はヤクザルの家族に出会った。最初は両親が毛づくろいをしていたのだが、そこに2頭の子どもザルが登場。さかんにこちらを見ている。 「人間への警戒は怠っていませんね。屋久島のサルは本州などのニホンザルより体は小さいですが、目が合うだけで、襲いかかってくることもあるので、皆さん注意してくださいね」(藪田さん) というわけで、早々に立ち去ろう。
ウミガメが産卵する浜と、岩山を望むスムージー
次に立ち寄ったのは、屋久島の北部、永田地区にある「いなか浜」。ここはウミガメの産卵地として有名なため、外国人観光客も多い。南国とはいえまだ3月、肌寒いのに、海に入っている女性もいる。ただただ美しい白砂の浜に見入っていると、ガイドのひとり、内室紀子さんが「あったあった」と何やら白いプラスチック片みたいなものを手のひらに載せている。海洋ごみ? 「いえいえ、これがウミガメの卵の殻なのです。触ってください、やわらかいでしょう? 海風に吹き飛ばされて、浜の端っこのほうに、まるでプラごみみたいに転がっているので、気づく人は少ないのです」(内室さん) 浜を堪能したあとは、島の東側の安房地区へと車で移動。絶景スポット、松峯大橋に到着した(下写真)。
松峯大橋から安房川の水面までは約70m! 恐怖感を覚えるほどの高さだ。山側の川では、ちょうどカヤックのツアーがおこなわれていて、手を振ると、ちゃーんと振り替えしてくれた。そして反対側、海のほうを望むと、川面ではSUP(スタンドアップパドル)のレッスン中。こんな大自然の中でのアクティビティは、一生の思い出になるに違いない。
そして一行は島の南、尾之間(おのあいだ)地区にある、ガイドさんイチオシのカフェ&ショップ「やくしま果鈴」へ。屋久島産フルーツをつかったスイーツなどが評判の店らしい。目の前には切り立った岩山、モッチョム岳。いただいたマンゴースムージーは、それはそれは……五臓六腑に染みわたった。感激して「屋久島フルーツバター・たんかん」をお土産に買って帰ったのは言うまでもない。 photo:横江淳 text:FRaU