「欲」を「志」に変える。事業を拡大させる経営者の魅力
スタートアップへの投資経験がある投資家に焦点を当て、投資判断の裏側にある思考プロセスに迫る「Investor’s eye」。今回登場するのは、五常・アンド・カンパニー、PIVOT、AnyMind Groupなどのスタートアップに投資を行ってきたDIMENSIONの代表・宮宗孝光氏と、取締役・鈴木修氏だ。IPO35社、M&A61社の実績(2024年7月末時点)を誇る同社に、スケールするスタートアップの特徴について聞いた。
「僕は君に頼んでいるんだ」スタートアップ投資に向き合うきっかけとなった言葉
2019年に前職の「ドリームインキュベータ」にてDIMENSIONファンドを立ち上げ、2021年にファンドを引き継ぐかたちでMBO・独立を果たした宮宗氏。
元々は「シャープ」のデバイスエンジニアであり、投資や経営に関してはまったくの素人だった。しかし、ドリームインキュベータに転職後、実際のお客様とのやりとりを通じて、投資や経営に関する知見や醍醐味を学び、スタートアップ投資への想いを強めていったと語る。
宮宗氏「前職に転職して間もない頃、大企業向けコンサルティングとスタートアップ出資の2つを同時に推進していました。しかし、2008年のリーマンショックや監査法人の解散の影響を受け、上場直前だった出資先の資金繰りが苦しくなりました。当時4年目で経験の浅かった私は、出資先の起業家の方に向かって『私ではなく、うちの経営陣がご支援させていただいたほうが良いのではないか』と正直にお伝えしました。すると、倒産するかもしれない状況にも関わらず、『僕は君に頼んでいるんだ』と。その言葉に衝撃を受けました。これは絶対に報いなければいけないと思い、そこから資金繰りに奔走しました。起業家の覚悟を間近で感じた瞬間であり、その言葉は今でも忘れられません。この言葉をもらってから、スタートアップ投資に向き合う意識が明確に変わりましたね」
一方の鈴木氏は、学生時代に自身で起業したほか、これまでサイバーエージェント、グリー、SHIFTなどスタートアップの”中の人”として経験を積んできた。そんな彼が、投資家としてスタートアップを支援する立場に転換しようと思ったのはなぜなのか。
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