「欲」を「志」に変える。事業を拡大させる経営者の魅力
鈴木氏も、宮宗氏と同様にやはり「人」を見ており、スケールする起業家の共通点として「強烈さ」と「チャーミングさ」がある人だと話す。
鈴木氏「これまで投資してきた方を振り返ると、ややもすると嫌われたり怖がられるほどの強烈さ、そして逆にもう仕方ないなあ助けようついていってあげようと思わせるチャーミングさの両方が共通点だと感じます。強烈さというのは、成功や結果を出すことへの執着の表れです。事業について問題や落度を指摘したとき、自分たちの確固たる強さを主張し、徹底的に考え力強く実行し最速最短で解決し、その強さを実証できるかに現れます。また、トップダウンで判断を下した経験の意図や自らの強烈さがゆえに敵をつくってしまったり嫌われたりした経験の学びを語れると、自己中心で近視眼な人ではなく、強烈さに加えてしっかり自分を客観的に見ることのできる人だと感じます。強烈さがあると『この人は覚悟を持ちやりきれる人だ』『最悪な場面できちんとトップダウン含めた英断ができる人だ』と思えるんです。状況が変わり、戦略を変えなければならない場面で、あくまでも過去ではなく未来の成果にこだわり全てを変えてでも最適化できるのか、やるとなったら空気読まずひるまずひよらず俊敏に対応できるのか。ある意味で朝令暮改を正しくいとわない人などは強烈だと言えるかもしれません。一方で強烈さは双刃の剣。それで誰もついてこなくなったら組織は崩壊し事業は終わります。そこで必要なのがチャーミングさ。チャーミングさは、表現するのが難しいのですが、おっちょこちょいなところや抜けているところや不器用なところやピュアなところやかわいいそぶりなど人間の不完全な部分や素の部分がちらりとでも垣間見れて、周囲から愛される要素です。強烈さだけでは組織崩壊を招くし、チャーミングさだけでは弱くて成功しない。その両方が共存している経営者は、自ずと信頼が生まれますし支援していきたいという思いも生まれます。『デューデリジェンス(投資対象となる企業の調査)』の場面では強烈さを、それ以外ではチャーミングさを探りにいっているイメージです」
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