「欲」を「志」に変える。事業を拡大させる経営者の魅力
鈴木氏「私は、自らの起業や複数のベンチャー企業への参画など、スタートアップの”中の人”として、ゼロ立ち上げ、メガベンチャーへの成長、上場など、様々な経験をしてきました。スタートアップの成長過程は、まさにハードシングスでとにかく苦しくしんどいんです。でもやらなければならない使命感でとにかく走り続ける。そんなときに、メンター的な存在の人が外部にいてくれたら良かったなと思う場面が多々ありました。だからこそ、今度は『渦中にいるスタートアップにとって自分がそんな存在になれないだろうか』と。誰にも言えない思いや迷いを聞いてくれるメンターでもあり成長や問題解決をガイドしてくれるティーチャーでもあるような立場になってスタートアップを支援したいと思いました。かつ、投資を通じて金銭的な支援も行うことで、同じ船に乗ることもできると考えたわけです」
こうして2人は、DIMENSIONで交差した。
夢は個人の欲。成長するためには夢を「志」に変える必要がある
宮宗氏と鈴木氏がこれまで投資を行ってきたなかで、印象に残っているスタートアップ企業についても聞いた。まず、宮宗氏はシンガポールで起業し、2023年3月に上場を果たした「AnyMind Group」を挙げる。
宮宗氏「創業者の十河宏輔さんが当時勤めていた会社を辞めてシンガポールで起業したとき、『調達をしながらアジアで大きく伸ばしていきたい』と相談に来たことを覚えています。当時彼は20代後半で、その時点ですでに日本ではなくグローバルを見据えており、スケールの大きさを感じました。創業1年目の時に、香港での上場を目指し、2人でいわゆる主幹事証券会社を回ったのですが、彼が英語のコミュニケーションで名だたる主幹事証券の担当を惹きつけていく姿を目の当たりにしたんです。日本のスケールを超えた20代の姿から、やはり個人の意志と実行力が人を動かすのだと感じました。AnyMind Groupは、いまや売上300億円(2023年12月期通期)を超え、世界15カ国でビジネスを展開しています。起業家の熱量に人が集まり、グローバルのチームが生まれ、そして上場にもつながりました。そういう企業の創業期に携わり、一気に飛躍する、つまりは非連続の成長を支援できたのは、投資家として意義のあることだったと感じています」
【関連記事】
- 日本最大級のピッチコンテスト「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」開催! 優勝賞金1,000万円を獲得したスタートアップは?<後編>
- 日本最大級のピッチコンテスト「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」開催! 優勝賞金1,000万円を獲得したスタートアップは?<前編>
- AI最新技術のロボティクス産業への融合が急加速 AI時代のロボット開発競争最前線
- 優勝賞金1,000万円! 白熱したピッチコンテストの結末 「Sushi Tech Tokyo 2024」密着レポ【後編】
- 世界のスタートアップが集結した「Sushi Tech Tokyo 2024」密着レポ いま知りたいイノベーションに迫る【前編】