「特化型コンビニ」韓国若者世代の聖地に…プロ球団や銀行などと提携
【11月02日 KOREA WAVE】韓国でコンビニ運営企業が商品やサービスに特化した店舗を展開し、消費者層の拡大を図っている。特化型店舗の導入は、従来の店舗数拡大による成長に限界が見えてきたためだ。コンビニの店舗数拡大ペースは鈍化しており、韓国国税庁の統計によると、ソウルのコンビニ数は今年7月に8612店で、前年同月比44店減少している。 さらに、業界の自主規約で既存店舗の50~100メートル以内での新規出店を避ける方針もある。ある業界関係者は「これまでコンビニは質と量の両面で成長してきたが、最近は量的成長が鈍化し、質的成長が注目されている」と説明した。 特化型店舗にはラーメンや酒類など特定商品に特化した店やスポーツ、金融など異なるカテゴリーに特化した店が登場している。 ◇ラーメン特化型店舗のCUとGS25 韓国の大手コンビニチェーン「CU」は2022年12月から業界初のラーメン特化店舗「ラーメンライブラリー」を展開。人気を博し全国で7店舗を運営している。約100種類のラーメンを取り揃え、1日平均500食が売れている。 別の大手チェーン「GS25」も今年8月にソウルの仁寺洞(インサドン)にある「GS25グラウンドブルー49店」内「Kヌードルチャレンジステーション」を設置。外国人客向けに辛さを4段階に分け、調理機器を整えている。 ◇「家飲み」人気で増加する酒類特化型店舗 また、GS25は酒類特化型店舗を展開し、ウイスキーやワインなどの品揃えを強化している。2022年に開店した「GS25全州(チョンジュ)本店」では、1000種類以上の酒類が販売され、店舗売上の約65%を占めるほど人気がある。 CUも800種類の酒類を扱う酒類特化型店舗を全国100カ所で展開し、アプリで注文した酒類を店舗で受け取れる「CU BAR」という予約サービスも提供している。 ◇買い物・金融サービスを提供する店舗も GS25は新鮮な食品を強化した「買い物対応型」店舗も展開している。24時間営業でマートやスーパーと異なり少量パッケージが多いため、一人暮らしの人に便利だ。「GS25龍山(ヨンサン)パークザイ店」には野菜、果物、肉類などの新鮮食品やインスタント食品が陳列されていた。現在、全国に約500店舗あり、年末までに1000店舗に拡大する計画だ。 CUは銀行がない地域を中心にハナ銀行と提携し、金融特化型店舗を開店。例えば「マチョンパーク店」には高機能無人化機器(STM)が設置され、通帳やカードの利用開始、公共料金支払い、紛失届などが可能だ。ハナ銀行の担当者は「コロナ禍で閉店する店舗が多かったため、便利な金融チャネルを提供しようと考え、コンビニを活用した金融特化型店舗を企画した」と述べている。 担当者は「取引の大部分は入出金や口座振替で、口座開設や通帳更新も活発だ。金融業務と商品の購入が同時にできるため、両者にとってメリットがある」と説明した。 ◇趣味に応じたスポーツ・化粧品特化型店舗も GS25はプロ野球チームの「ハンファ・イーグルス」「LGツインズ」、プロサッカーチームの「蔚山HD」と提携し、3つのスポーツ特化店舗を運営している。LGツインズと提携した「GS25蚕室(チャムシル)タワー店」は、チーム専用のロッカールーム風スペースを設け、応援グッズなど30種類以上のグッズを販売。ファンの「聖地」となっている。 蚕室タワー店では開店から1週間で約1500万ウォン(約165万円)相当のグッズが販売されるなど好評を博している。会社関係者は「地域の人気チームと提携して店舗を開店し、ファンがグッズを購入するついでに他の商品も購入していく効果がある」と述べた。 セブンイレブンは20日にライフスタイル特化店舗「ニューウェーブ・オリジン店」をオープン。即席・新鮮食品や化粧品などをカスタマイズして陳列し、消費者の好みに応じた商品を提供している。ニューウェーブ店舗を基盤に、商圏ごとに合わせた店舗を拡大する計画だ。 こうした戦略が奏功し、コンビニを利用する消費者が増えている。韓国産業通商資源省の集計によると、今年上半期の流通業者の売り上げ割合でコンビニは16%を占め、全業種の中で第2位だった。1位の百貨店(16.6%)と大差なく、売り上げ成長率は5.2%で百貨店(3.1%)を上回っている (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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