睡眠時間は細切れでもトータルで考えればOK!【40代、50代・疲れ知らずの体をつくる生活術③】
5.快眠を妨げるいびきは横向き寝で解決
40歳を過ぎた頃からいびきをかくようになったという人は少なくない。それは喉の筋肉の老化や疲れが一因だ。いびきは熟睡を妨げ、気道がふさがれて呼吸が一瞬止まる睡眠時無呼吸症候群の原因にも。 「いびきは吸い込んだ空気が鼻や喉を振動させる音です。特にあお向けで寝ていると、舌が緩んで気道を圧迫するので、いびきをかきやすくなります。その解決策として、気道を確保しやすい横向き寝がおすすめです。 向きは右向きがいいでしょう。胃は体の右側に曲がっているので、食べたものが腸に向かって移動しやすくなり、消化活動にも役立ちます」
6.途中で目が覚めても時計を確認しない
睡眠障害には、なかなか寝つけない、途中で目覚めてしまうなどさまざまなケースがある。 「質のよい睡眠を確保するためには、寝る2時間前から蛍光灯などの青系の明るい光を避け、暖色の間接照明にします。明かりの強さを調整できるとベストです。就寝中は足元を照らすフットライト程度にして、真っ暗にするのがおすすめです。 また寝つきが悪いときや途中で目覚めてしまっても、時間を確認するのはNG! 『あ~、1時間たったのにまだ眠れない』『今からだと3時間しか眠れない』など、焦るだけです。睡眠に焦りや不安、イライラすることは禁物。時計を見ることでそうした感情が増幅するので、時計は見ないことです。 眠れないときは腹式呼吸をして副交感神経を刺激するのがいいでしょう。 鼻からゆっくり4秒かけて息を吸います。そして7秒息を止めて、口からゆっくり8秒かけて息を吐きます。これを3回ほど繰り返すと、心が落ち着いてくると思います」 良質な睡眠を味方につけることが、疲れない体になる第一歩! 今日から試してみて。
【教えてくれたのは】 工藤孝文さん 内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 イラスト/midorichan 取材・原文/山村浩子