睡眠時間は細切れでもトータルで考えればOK!【40代、50代・疲れ知らずの体をつくる生活術③】
なかなか寝つけない。寝ても途中で目が覚めてしまう。十分な睡眠時間が確保できない。寝ているのに疲れが取れない。そんな悩みはないだろうか?疲労を解消するためには睡眠は不可欠。いかに良質の睡眠を確保するかにかかっている。そのためには、どんなことを実践したらいいのだろうか? 内科医で疲労に詳しい工藤孝文さんに伺った。 「睡眠中は心拍や呼吸が穏やかになり、体温や血圧が下がります。これにより、日中に活動して疲れた体や脳は休息モードに入ります。睡眠の働きはそれだけではありません。傷ついた細胞を修復したり、記憶や情報、感情の整理、免疫力を高めるなど、体や脳、心のメンテナンスをしています」(工藤先生) これらすべてが滞りなく行われると、翌日に疲労が残らず、シャキッと爽やかな朝を迎えられるのだ。そのためには、少なくとも次の6つのことを実践したいと工藤先生。その方法とは?
1.疲れない体のためには、毎日同じ時間に起きるのが第一歩!
快適な睡眠を得るためには、寝る前だけでなく、朝からの行動が重要だ。 「私たちの体には、朝起きて、昼に活動し、夜寝るという時計遺伝子が備わっています。これを体内時計、またはサーカディアンリズムといいます。1日およそ24.5時間に設定されているため、地球の自転の24時間に対して、毎日30分ほどずれが生じます。これを調整してくれるのが、朝の太陽光です。 朝起きたらカーテンを開けて、窓越しでもいいので朝の光を浴びます。すると目の網膜が光を感じることでセロトニンが活性化します。夜になると、このセロトニンを材料に睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンを分泌します。このように、夜の快眠を得るためには、朝にしっかりとセロトニンをつくっておくことが重要。そのためには朝の太陽光が必要なのです。 また、休日に寝だめをしようと朝寝坊をする人もいますが、いつも通りの時間に起床することが大切です。いつもよりも長く寝たい場合は、寝る時間を早めるほうがいいでしょう」 大切なのは、夜寝る時間でなく、朝起きる時間を一定にすること! 夜更かしの朝寝坊が習慣化すると体内時計がどんどん乱れて、疲労が蓄積していく。やがて肥満や生活習慣病、うつ、免疫力の低下やがんの発症リスクも高まる。