ソニーがホンダと開発のEVは「走るショーケース」 CES 2025で「エンタメ総取り」を打ち出した十時社長の本気度
「IP(知的財産)をユニークで魅力的な体験に拡張することを目指している」――。 アメリカ・ラスベガスで開催中の世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」。ソニーグループの十時裕樹社長が、2023年4月の社長就任以来、初めてスピーチに立った。 【データで見る】ソニーグループのエンターテインメント3事業の中で安定成長を続けるのは「音楽事業」 十時社長が登壇したのは現地時間の1月6日夕方に開催されたプレスカンファレンス。グループ各社や協業先の幹部もステージに姿を見せた。ソニーが成長事業の中核に位置づけるエンターテインメント3事業の取り組みを中心に、全体で約45分間演説した。
各登壇者が繰り返し強調したのは、ソニーが持つ技術とエンターテインメントを組み合わせることの新たな可能性だ。 ■NFLコミッショナー、アニプレックス社長などが登壇 最初に登壇したナショナルフットボールリーグ(NFL)のコミッショナー、ロジャー・グッデル氏は「ソニーと一緒に仕事ができることと、それがNFLの将来にもたらす可能性をとても楽しみにしている」と持ち上げて見せた。 グループ内からは、アニメ製作会社アニプレックス社長の岩上敦宏氏、海外向けのアニメ配信を手がけるCrunchyroll(クランチロール)プレジデントのラウール・プリニ氏、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの社長、ラヴィ・アフジャ氏などがスピーチ。エンタメ関連事業の重要人物が勢ぞろいした。
エンタメ関連の新たな技術や取り組みも複数公開した。3DCG制作ソリューション『XYN』(ジン)は、ミラーレスカメラで撮影するだけで、高精細な3Dモデルを作ることができる技術だ。ゲームや映画など多くのコンテンツで使われている3Dモデルの制作工程を大幅に簡略化できる。 クランチロールは新たに電子コミックの配信を2025年後半から始めると発表した。ソニーは日本と中国を除く全世界で、アニメに関心を持つ人が2030年には15億人に到達すると予測している。