城島リーダーと畑活! TOKIO-BAで体験する、''農''のある暮らし
── ちなみに、一般的な枝豆ではなく、栽培に時間も手間もかかる晩生品種を選んだのは何か理由があるのでしょうか? 伝統野菜がどんなものなのか、みんなに味わってもらいたかったんです。例えば、僕が子どもの時ってグレープフルーツは酸っぱくて砂糖をかけて食べていたり、茄子に鋭いトゲがあって扱いづらかったりしたけど、最近は品種改良によって味も形も食べやすくなってますよね。 もちろん品種改良が悪いわけではないんですけど、僕は日本の農家さんが長年栽培と種採りを繰り返し、その土地の特性を活かして育ててきた野菜を守っていきたい。そう思って、TOKIO-BAではあえて栽培の難しい野菜に挑戦しました。
── 農業はその土地や環境の力を借りてでしか生産できないため、たとえ時間がかかってもその土地に合う農法を見つけることが大事なんですよね。 はい。例えば農薬を使うと、最初の年はよくても害虫のほうもだんだん耐性をつけて効かなくなってくるので、長期的に見るといたちごっこ状態になる。だからこそ、僕は置かれた環境で人材と時間をかけて育てていく農業のやり方がベストではないかなと思っていて。 たとえ今年は不作でも、種が採れたら来年に向けてまた植えて、時間をかけてこの土地に合う作物を作っていきたい。そんな風に考えています。それに、もし大豆が収穫できた際には、TOKIO-BAオリジナル味噌や醤油、豆腐なども作っていきたいですね。
TOKIO-BAから共感の「輪」を広げていく
── 今回お話を聞いていて、種を引き継ぐことや師匠から教わった知識を次の世代につなげるなど「継承していくこと」がTOKIO-BAでの城島さんのキーワードなのかなと思いました。 最近、「持続可能」という言葉をよく耳にするんですけど、僕はその本質を見てる人はどのくらいいるんだろうって思うんです。例えば、TOKIO-BAの畑の枝豆もある人から見ると失敗と思われるかもしれないけど、今年は種が一粒でも残り、そこから来年は100粒できれば成功なはず。そんな風に、その土地にあった営みを行うことが持続可能な農業なんだと思います。 だけど、世の中の流れへわかりやすく乗っかることも大事ですよ。ちなみに僕は普段は全然見ていないのに、オリンピックのたびに柔道の試合で大盛り上がりしてます。そんな風に、これだけ「SDGs」や「持続可能」という言葉が広まったからこそ、みんな改めて環境問題を考えるきっかけになりましたよね。 これが一過性で終わらず、日頃から自然とのつながりを感じることが大切だと思います。例えば、これからTOKIO-BAは森だけではなく、海の環境問題についても考える場所にもなってほしいんです。