28歳「モテるけど結婚できない」女性が婚活で大復活…!理想の「サザエ婚」“マスオさん”をゲットできたワケ
「互いの価値観」が決めてになった
2人とも私の相談所の会員だったこともあり、初対面では気楽なカフェランチを共にした。いわゆる「お見合い形式」をとらず、都内の公園に隣接したレストランでイタリアンのコースを食べたそうだ。 前菜、スープ、新しい料理が運ばれてくる度に会話も弾み、羽菜さんの笑顔も多くなったと後に隆太郎さんから教えてもらった。 運ばれてきたお互いの料理を羽菜さんが、半分に切りシェアしあったところに優しさ感じたそうだ。初回から女性から率先して料理を分け合うということは、気を許しているという気持ちの表れである。 「ドルチェはどうされたんですか?」と聞くと、隆太郎さんが頼んだ同じものを羽菜さんも真似してオーダーしたと聞いて、私はこのお見合いは成功だと確信した。というのもお父さん子の羽菜さんは、幼い頃から父親の真似ばかりしてきたと聞いていたからだ。 隆太郎さんの真似をしたことは、相性の良いしるしだ。自由恋愛に近い出会い方で2人は初回から距離感を縮められたようだ。 その後、真剣交際に移った2人は週に1度のペースでデートを重ねた。その1ヵ月後には、羽菜さんは隆太郎さんを自分の家族に紹介していた。 結婚も決まっていない男性を実家に呼ぶことには賛否両論の意見があるが羽菜さんの考えは決まっていた。好きになった人は家族にも受け入れて欲しいし、相性を伺う意味でも一緒に過ごしてみることが大切なのだという。 「彼は父とゲームで対戦して大負けしたんです」 嬉しそうに惚気る羽菜さんは無邪気な子供のように見えた。隆太郎さんは羽菜さんの気持ちを察して、結婚後は実家のそばに住んでも良いと言ってくれたそうだ。 精神的にも経済的にもしっかりと自立している隆太郎さんは1人でも暮らしていけるたくましさと人を大切にする優しさと併せ持つ男性だった。交際が3ヵ月に至る頃には羽菜さんには彼となら、ずっと仲良く暮らせるという自信を持てていた。 羽菜さんと隆太郎さんは、育った環境は異なるが家族に対しての価値観が似ていたことで意気投合した。羽菜さんはこれまでお付き合いした方とは違う誠実な隆太郎さんに安心感を得ており、一方隆太郎さんもこれまでお付き合いしたことのないイキイキと輝く羽菜さんにべた惚れでいる。 羽菜さんのように自分の家族を大切にするあまり、お見合い相手、結婚相手とうまくいかない方には、仲人として「新しく作る家庭を第一優先に考えてください」とアドバイスをする方が多いかもしれない。 しかし、実家が一番大切という価値観はそう簡単に変わるものでもないし、羽菜さんのように粘り強くお相手探しをして幸せに繋がる可能性もある。相手に合わせてうまくいくよりも、互いに自然体の価値観を共有しあえるほうが、より良き結婚、より良き人生への近道になり得るのだ。 * 高須美谷子さんの連載<じつは、やってはいけない…交際相手に「理想の結婚」を押し付ける、28歳「育ちのいい女性」の婚活の大失敗>もあわせてどうぞ
高須 美谷子(仲人)