プロ野球の観客動員が過去最多!なぜ中日、楽天、オリックスも増加?日ハムは…NPBのSNS規制で変わる野球観戦
「緊急事態宣言」解除後の6月に開幕も、少しずつ観客数は回復
2020年4月7日、安倍晋三内閣総理大臣(当時)は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に緊急事態宣言を発令。4月16日には対象を全国に拡大し、外出自粛のほか感染予防対策の徹底を呼びかけた。 こうなれば、本格的に試合を開催している場合ではないのは明白。当時、「自粛警察」なるものも現れ、自粛を破ろうものなら批判が殺到する事態にまで発展することもあり、さらに先行きも見通せなかった。開幕先送りの判断は賢明だったといえるだろう。緊急事態宣言は5月末、全国で解除。それを受けて6月19日にプロ野球が開幕することが決定した。3月20日から3か月余り。ようやく開幕へとこぎつけた。 プロ野球が開幕したのはいいが、「特例事項」という制限がついた中でのシーズンとなった。主な特例事項は以下の通り。 ・レギュラーシーズンは各リーグごとの6球団24回戦総当たり。各球団の試合数は120試合 ・延長は10回まで。なお同点の場合は引き分け試合 ・出場選手登録は1球団31名まででベンチ入りは26名まで(そのうち外国人選手は出場選手登録5名以内、ベンチ入りは4名以内) シーズン途中からは観客を入れて試合が再開されたこともあったが、観客数の制限を設けていたことも影響し、2020年シーズンの観客数は482万3578人だった。新型コロナウイルスの感染が減少し、観客の入場制限や声出し応援が解禁されるにつれ、21年に784万773人、22年2107万1180人、23年2507万169人と観客数は少しずつ回復し、2024年シーズンでコロナ禍前の水準となった。
今シーズン好調チームのそれぞれの背景、地元選手獲得に社長交代も
2024年シーズンのうち、中日は3年連続最下位となり立浪和義監督が辞任。新監督として井上一樹監督が就任する。しかし、2023年シーズンと今シーズンの中日主催試合の入場者数差は15万5000人あまりで、セ・リーグ最多。入場者数は233万9541人で、2008年以来16年ぶりに230万人を突破した。 背景には、愛知・名古屋が関係しているとの見方もある。根尾昂投手(岐阜県出身)、髙橋宏斗投手(中京大中京高校出身)、石川昂弥内野手(東邦高校出身)など、中部圏にゆかりのある人気選手がいる。若い選手も多く試合に出ており、根っからのドラゴンズファンがそれらの選手たちを長く応援することもまた、多くの入場者数を記録する要因になっているとの考えもあるのだ。 2023年シーズンと比べた入場者数が約28万3000人ほど増え、増加数ではセパ両リーグを通じて最多となった楽天。昨シーズンの観客動員数は135万8512人で、12球団で最少となるシーズンとなった。昨年8月には新社長に森井誠之氏(元プロバスケットボールチーム「仙台89ERS会長)が就任し、「顔が見える」をコンセプトとして様々な人々が関わりあっていく球団を作り上げている途中。来シーズン以降はどのような集客方法を採用するのかに注目していきたい。
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