トランプ氏の60%関税、反撃態勢整える中国-応戦すれば多大な影響
米戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディ上級顧問は、トランプ氏がちらつかせている新たな関税の脅威に対し過剰に反応するつもりのない中国当局だが、弱腰と見られることには警戒していると指摘。
頻繁に中国を訪れているスコット氏によれば、習指導部の選択肢として考えられるのは、中国に大きな利害関係を持つ米企業を標的にすることや米国債の売却、人民元の切り下げ、そして欧州や中南米への働きかけの強化などだ。
「中国は厄介者のように扱われるのにうんざりしており、反撃したいと思っている」と同氏は述べ、「必要であれば、トランプ氏に対抗し、同じ手段で反撃する用意ができている」と説明した。
最初の反撃
中国にとってのワイルドカードは、上海にEV工場を置く米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が選挙戦でトランプ氏の強力な支援者として台頭したことだ。
中国で大きな事業権益を持つマスク氏が、より穏やかなアプローチをトランプ氏に促す可能性もある。トランプ氏は6日早朝、大統領選に勝利したと宣言するとともに、マスク氏を称賛した。
米中間で貿易戦争が再び勃発した場合、米国の農産物輸出がまた最初の標的となる可能性もある。
中国への大豆供給トップとしての地位を固めたのはブラジルだ。現在ではトウモロコシの対中輸出でも最大手だ。20年の貿易協定の一環として、米国の対中輸出が大幅に減少した分を補っている。
米国は16年時点で中国による大豆輸入の40%余りを賄っていたが、今年1-9月には18%を下回った。
原題:Xi Is Better Prepared for Trump Even as 60% Tariffs Risk Chaos (抜粋)
--取材協力:Yujing Liu.
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