「こじはる」ブランドを買収した、30歳社長の思惑、yutori社長「細部に神を宿らせているブランド」
これまでやってきた商品開発やブランドの立ち上げを他業種でも再現できたので、「めっちゃいけるじゃん」っていう感覚ではある。新しい土地に入って、その土地の中で新しい芽が出つつあるので、どんどん種をまいて収穫できるなって。 ――リーダー・プロデューサー職に特化した採用を始めるなど、人材戦略も独特です。 なんとなく「yutoriっぽい人」というのがあって。好きなものがあっても、マイノリティになった哀愁みたいなものを乗り越えてきた強さを持ち合わせた人がほしい。
そうした若者=はぐれ者みたいな子たちが継続的に取れている感覚はあるが、その若者の荒削りの才能に再現性を持たせるのがプロデューサーで、それを採用・育成するのが難しい。若い世代を中心としたクリエーティブな組織にどう継続性と再現性を持たしていくのかという問いは、今の時代にすごく刺さる。 日本のファッション業界はデザイナー社長が多いが、クリエーションしながら経営もできる人なんてそうそういない。例えば音楽事務所はプロデューサーとアーティストが別で、ファッション業界もそうあるべきかなと。
自分もクリエーティブは理解できるけど、ブランドをやっているわけじゃないし、経営を7~8割くらいの感覚で成立させている。 けど、別にみんながどうこうというより、自分たちがいい場所にいることが大事。自分はプロデューサーをプロデュースして、対外的には「いい大喜利」をして、規模拡大を続けていきたい。
井上 沙耶 :東洋経済 記者