「こじはる」ブランドを買収した、30歳社長の思惑、yutori社長「細部に神を宿らせているブランド」
─今後、heart relation社をどう成長させますか。 これまでのM&Aは100%出資だったが、今回は51%。適度に自由な関係性の中でやっていくほうが、お互いにとってよい。買収しても「Her lip to」が今までやってきたことは変わらないし、こじはるさんもCCOとして在籍し続けるし、会社として自律的な意思決定をしてもらう。 上場以前まで親会社だったZOZOとの関係がすごくやりやすかったから、それを参考にした、というのもある。
――ZOZO傘下での自身の体験が今回の提携スキームにつながった? M&Aしてから大きく事業が成長したケースは意外と少ない。それってよくないと思いますけどね。約束した期待値を買う側も買われた側も達成できないと「それ、筋通せよ」って。そこに対する憤りがあって、だから俺らも話題になったディールは成功させないといけないという思いがあった。 ZOZOはその俺らの熱意や反骨精神をくみ取ってくれた。自由に、放し飼いではないですけど、安心する後ろ盾になってくれたから、自分たちの若さを爆発させられた。
新しい世代で、ファッションにピュアな愛情があり、熱量を持って経済的に成長しようとしている会社は少ない。ファッション業界に支えられて成功したZOZOがそこを応援するのは、これまで紡がれた歴史の中でも美しい話として筋が通っている。 ■毎年1回は大きなアクションを起こす ――大手企業などへの株式売却は身売りととらえられて、自力での成長をあきらめたと受け取られることもあります。 それって短絡的で的外れ。そういうケースもあるかもしれないが、全部が全部そうじゃない。heart relation社はまだまだ伸びる。yutoriからも、インスタグラムのリールからどれだけ商品が売れたかといった実売マーケティングのノウハウなどを提供できる。現時点では、一緒に海外進出もできると考えている。