サウナではどこに座るべき?自宅でできる「究極の入浴術」は? お風呂のプロが解説する、最強の入浴方法
牛乳、コーヒー牛乳の効用
その上で、調査対象者に温泉に入る時の「こだわり」を聞くと「水分補給」が最も多く、とりわけ牛乳やコーヒー牛乳を飲むと答える人が目立ちました。入浴後の牛乳とコーヒー牛乳は「定番」ですが、大分県の人も実践しているということは、単なる慣習ではなく何らかの健康効果がある蓋然性が高いといえるのではないでしょうか。事実、牛乳は脱水回復効果が高いとの実験報告もあります。 また、温かいお湯とぬるめのお湯(あるいは水風呂)に交互に入るというこだわりを持つ人も多くいました。「温冷交代浴」は、最近の研究でアスリートでの疲労回復効果が報告されています。大分の人は、その効果を肌で感じてきたのかもしれません。
高齢者のサウナの入り方は?
絶大なる温泉の健康効果。とはいえ、やはり都市部に住んでいると、そう簡単に温泉に行くことはできないでしょう。そうした事情もあり、いわゆるスーパー銭湯がはやっているわけですが、多彩な温浴が楽しめるスーパー銭湯での入浴法、特に高齢者が気を付けるべきこととは何でしょうか。 たくさんの湯船があるスーパー銭湯では、お湯という「温熱刺激」に体を慣らすため、できるだけ刺激の少ない湯船から漬かるように心がけてください。高温の湯船やジェットバスなどは後回しにして、まずはかけ湯をしてぬるめの湯船から入る。 また、先ほど温冷交代浴にはアスリートでの疲労回復効果が報告されていると紹介しましたが、高齢者に関して言うと水風呂はあまり推奨できません。たしかに「温」で血管が広がり、「冷」で収縮することによって血流は良くなります。しかし、動脈硬化が進んでいる中高年以降においては、急激な血圧の上下動は血管破裂や血管が詰まっての脳卒中、心筋梗塞を招きかねません。 そして、サウナに入ることによる急激な温度差も心臓などに負担をかけるので、高齢者は高温のサウナは避けたほうが安全でしょう。したがって、サウナの“ひな壇”ではできるだけ一番下に座るようにしてください。熱気は高いところへ上がっていくため、ひな壇が一段高くなると温度は10度上がるといわれているからです。60度程度までのサウナであれば、それほど心臓に負担がかからないという医学的な研究があります。しかし、一番下の壇で60度でも、3段目では80度に達する計算になります。ですので、高齢者は上の壇は極力避けるべきでしょう。