三笘薫の攻撃力の原点は_。川崎フロンターレユースの監督が語る、「4-4-2」システムを徹底解説
相手にとって嫌な位置がわかってくると、相手の矢印もわかってくるイメージです。相手のシステムが変わっても、人を見る習慣があれば、ライン間のスペースが見えてきます。 背後を狙うことはすごく大事で、それがないと、選手は、手前ばかり見てしまいます。ライン間の縦幅の概念も大切で、相手がそこを8メートルくらいにしてきたら、「12メートルとか13メートルに広げるには、どうしたら良い?」というアプローチをよくします。「フォワードが背後をちゃんと狙ってライン間を伸ばせたら、そこが空くし、縮めたら、あそこが空くから、そこで引き込もう」といった感じです。 結局、背後を攻略しないと、手詰まりになります。ですから、攻略するために、高い精度のロングボールとそれに対する正確なトラップも意識させています。ゴロのボールを止める練習をよくやっていますが、浮き球もピタッとトラップできなければいけません(図5)。 (図5解説) 最初に狙うのは、相手の背後のスペースである。2トップの一方が下りてきたところで、他方が、センターバック(CB)からのフィードを受けに、相手の背後のスペースに走る。背後を狙うことはすごく大事で、それがないと、選手は、手前ばかり見てしまう。背後を攻略する一連の流れの中では、高い精度のロングボールとその浮き球に対する正確なトラップも意識させている -NAVIGATOR- 長橋康弘[川崎フロンターレU-18 監督] PROFILE 長橋康弘(ながはし・やすひろ) 1975年8月2日生まれ、静岡県出身。94年に、静岡北高校から清水エスパルスに加入した。97年に川崎フロンターレに移籍し、2006年に引退。翌シーズンから川崎Fで指導を始め、U-12チームのコーチやU-18チームのコーチなどを歴任した。18年からはU-15チームの監督を務めたあと、20年にU-18チームの監督に就任。日本サッカー協会公認A級コーチライセンスを持つ
サッカークリニック編集部