4歳のままの男の子…生きていれば卒業の春 息子を事故で亡くした家族 8回目の命日、兄の年齢超えた妹が小学生に
2016年3月、大分市内で起きた交通事故で亡くなった4歳の男の子がいます。生きていれば小学校を卒業するはずだったこの春、兄の年齢を超えた妹が小学生に。迎えられなかった卒業と心待ちにする入学――家族が今の思いを語りました。 【写真を見る】4歳のままの男の子…生きていれば卒業の春 息子を事故で亡くした家族 8回目の命日、兄の年齢超えた妹が小学生に ■息子はピクリとも動かなかった… 大分市野津原で子どもたちの登校時、毎朝道路に立ち、あいさつや声かけをしている交通指導員の竹山武志さん(57)。2016年3月20日、四男の沓里(かずさと)くん当時4歳を交通事故で亡くしました。沓里くんは自宅前の広域農道を手を挙げて横断していた際、わき見運転の車にはねられ、小さな体は40メートル以上はね飛ばされました。 竹山武志さん: 「『かずくん、かずくん』って声をかけたけどピクリとも動かなかった。残された者が何をしなければいけないのか…。『お父さん僕のために何をしてくれるの?』という声が親心として聞こえてきた」 沓里くんが亡くなってから8年。竹山さんは交通指導員として子どもたちが安全に通学できるよう学校まで付き添います。 今月、野津原小学校の卒業式を前に、竹山さんは児童に向け初めて講演しました。生きていれば沓里くんが卒業するはずだったこの春。竹山さんは事故の悲惨さや交通安全への思いを伝え、児童が耳を傾けました。 竹山武志さん: 「本当だったらきょう皆さんと一緒に勉強しているはずだった沓里くんは4歳のままです。なぜ4歳のままかというと、4歳の時に交通事故にあいました。大切な命を事故でなくさないよう、お父さんお母さんが危ない運転をしていたら『やめて!沓里くんがお空から見ているよ』と伝えてください」 講演を聞いた児童: 「命が一瞬でなくなって本当は一緒の学年だったから寂しいと思いました」「ながら運転を見かけるので、やっている人がいたらすぐに注意できるような人になりたい」 ■兄の年齢を超え妹が小学生に 3月20日、今年で8回目の命日。春の彼岸でもあるこの日、竹山さんは家族と一緒に寺を訪れ、沓里くんとの記憶に思いを馳せました。