羽生結弦が能登半島地震復興支援チャリティー演技会に込めた想い 満ちあふれていた力強さ
そして、その時交流した中学生たちには、こんなことを話したという。 「どんなに辛いことがあっても、いずれ時が来れば何かをしなければいけなくなる。どんなにやりたくなくても、どんなに進めなかったとしても、進まなきゃいけない。そんなことを話しました。震災から半年以上が過ぎて『何ができるか』とか『どんなことが進んでいるのか』など、いろんなことを考えると思いますけど、もうしょうがないって思うしかないところもある。でもその『しょうがない』の中に笑顔とか、その時の一生懸命がいっぱい詰まっていたらいいなって思っています」 羽生が演じた『春よ、来い』には、そんな想いが詰まっていた。繊細な滑りのなかに満ちあふれていた力強さ。そこには、子どもたちに話した「進まなきゃいけない」というメッセージも込められていた。
折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi