イーロン・マスクによる買収後に起きた『X/Twitter』の主な機能変化をまとめてみた
Xは「スーパーアプリ」の一環として、一種のビジネスSNSとしても利用される未来が近い可能性があります。一方でユーザーがbotの場合は「求人」の価値が下がるため、マスク氏はbot排除を強硬に行っていると言えるのではないでしょうか。 ■アカウントなしでの閲覧制限 Twitter時代は「アカウントなし」でも、ブラウザ版から投稿などを閲覧することが可能でした。しかし仕様変更により2023年6月30日頃から、アカウントなしでの閲覧に制限がかかるように。
Xはアカウントなしでは「検索」「返信」「リポスト」「いいね」など、ほとんどの機能は表示されず、使用もできません。Xは「見るだけ」のユーザーは良くも悪くも排除の方向に向かい、アカウントを持つ「ロイヤルユーザー」を対象としたサービスに変貌しつつあります。 ■API利用の有料化 Xは収益性の改善にも乗り出しており、2023年2月にはAPIの仕様変更と有料化を発表しました。 従来のTwitterは、開発者にとっては無料APIを用いてできることが非常に幅広く、サードパーティー製アプリなどを開発しやすいサービスでした。いわゆる「Twitterクライアント」がかつて多数リリースされていたのは、APIの柔軟性と安さが要因です。
APIの仕様変更と有料化に伴い、その影響を受けたと思われる有名なTwitter関連サービスは続々サービス終了に追い込まれました。たとえばツイ消しツールとして有名だった「黒歴史クリーナー」などが終了しています。 ユーザーにとっては「Twitter関連サービス」が続々使えなくなったため、不便さも大きいです。一方で、API有料化によって、Xは「開発者」や「SaaS企業」から収益を得る機会を得られるようにもなりました。 ■X Premiumと「Grok」 個人ユーザーを対象とした有料プランである「X Premium(旧:Twitter Blue)」も、マスク氏の肝いりのサービスとして有名です。 X Premiumに加入することで利用できる機能には「青い認証バッジの付与」「長文投稿」など様々なものがあります。加えて、マスク氏が特に注力度を高めている機能には「プレミアム」および「プレミアムプラス」で利用できる生成AI「Grok」へのアクセスが挙げられます。 「Grok」とは、xAI社が開発・公開している対話型のAI。2024年7月から、Xはユーザーの投稿をAIの学習に利用開始。Twitter時代から蓄積された大量の投稿データを学習することで、Twitterユーザーらしい「ユーモア」や「人間っぽい言動や知見」などを学んだAIモデルとして成長していくことが期待されます。 一方で「Xへの投稿がAI学習に利用される」ことはユーザーからの反発も大きく、物議も醸しています。 ■クリエイター広告収益分配プログラム Xは ・Xプレミアムアカウントであること(または認証済み組織アカウント) ・過去3カ月間でオーガニックインプレッションが500万以上あること ・プレミアム会員のフォロワーが500人以上いること といった条件を満たしたユーザーを対象に、2023年8月から広告収益の分配プログラムを開始しました。Xで精力的に活動するインフルエンサーらにとっては、マネタイズの機会が拡大しています。