持ち帰った食べ物から発覚した妻の「10年浮気」。45歳夫が決断した「衝撃の関係」
大和さんが相談していた「先輩」
この男性は、Web制作会社を経営しており、才覚があって羽振りがいい。妻との関係がうまくいかなくなってきた10年前に男性に相談したところ「俺が奥さんに会ってやるよ」と相談したことが、妻との関係の始まりになっていた可能性があること。それに対して、全く気づかなかった自分自身に驚いたそうです。 「先輩とは、ここ数年間会っていません。妻との関係が始まったから、僕に合わす顔がなかったのか、僕に会いたくなかったのか」 調査で妻との会話を聞いていても、男性は大和さんのことを一切かばっていませんでした。最初から「いないもの」として扱っているので、探偵も2人が先輩・後輩の関係だとわかりませんでした。 妻の態度からも、セカンドパートナーと適当に遊びながら、欲求を満たしていれば、満足するような“軽さ”も見てとれました。 報告書を読み進めていた大和さんがトイレに駆け込んだのは、大浴場の証拠写真。自分の妻が男湯で別の男性といちゃついている写真を見て、嫌悪感が嘔吐となって現れたようです。トイレから出て来ると、すっきりした顔で「離婚するかもしれません」と帰って行きました。
「今離婚するのはやめよう」
ところが、大和さんから妻に離婚を提案したところ、「もう少し考えようよ」と丸め込まれてしまったそうです。妻は「今離婚しても、あなたにも私にもメリットはない」と断言。証拠を見せると「そうだよ。この人がいるから、結婚生活が続けられたんだよ。あなたもセカパを作りなよ」と開き直られたそうです。 それと同時に、マンション、財産分与、親族のこと、年金、老後など「夫婦でいた方が得だ」というプレゼンを受け、納得してしまったそうです。ただ、妻への嫌悪感が隠せないために、別居することを考えたそうです。 「でも、妻から実際に離れることを考えると、不安になってしまう。この家に男を連れ込む可能性もある。とりあえず、現状維持です」
「離婚届」の意味は…
腑に落ちないのは、妻が離婚届を持ち歩いていたこと。それを問いただすのはバッグの中を漁ったことがバレてしまうので言わなかったそうです。妻が浮気相手の男性に語っていた大和さんへの不満は本音もあるでしょうが、男性との情事を盛り上げるエッセンスとして語っていただけかもしれません。夫婦間の不満が溜まると、離婚届を書いて溜飲を下げる人も多いです。 さらに未だに、結婚していることは社会的信用の判断材料になります。口や態度では、離婚だと言いつつ、土壇場で翻意する人は多い。もしかすると妻にとって「大企業に勤務する夫」がいることが重要なのではないか、と感じてしまいました。 ちなみに妻の浮気を目撃した大学生の息子は、年上の彼女の家に入りびたりで、もう家にはほとんどいません。妻の浮気に関して話をしても「ふたりに任せる」と言われたそうです。 個人的には腑に落ちない終わり方にはなりましたが、調査の目的のことを考えると、大和さんは「離婚しないで済むようにしたい」というものだったので、目的は果たされたということにはなります。 夫婦の形は人それぞれ。お互い納得がいき、心身ともに健やかであれば他人がとやかく言えるものではありません。しかも息子もほぼ自立しています。大和さんのような、妻に精神的に依存しているというタイプは増えています。似たようなケースは過去にもありましたが、欲望のようなものが切り離されると、穏やかな夫婦関係になることも多いです。 大和さんはすでに性欲はありませんが、妻は食欲も性欲も旺盛です。そこの溝が、今回の浮気の根幹にあるのではないかと思いますが、「溝をセカンドパートナーという存在で埋める」という夫婦の形を続けるのか気になるところです。 妻は「”今”離婚するのはやめよう」と言っていました。さらに、「大企業勤務の夫」はいずれ年を重ねると定年になり、その「肩書」はなくなります。そのあともなお、穏やかな関係を築くことができるのでしょうか。ちなみに司法統計によると、令和5年度に離婚申し立てされた中、一番多いのは婚姻20年以上の夫婦だそうです。 大和さんが妻の言うとおりにする受け身の生活を、一生続けるのでしょうか。いずれにせよ、大和さんに幸あれと願ってやみません。 調査料金は40万円。(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)