捨て方が特殊な場合も 実家の片づけで悩みがちなアイテム別の処理方法 プロが解説
ついつい後回しにしがちな実家の片づけ。大量のゴミが出ますが、特殊な捨て方が必要なものもたくさんあります。「通常のゴミは自治体が回収してくれますが、受け入れてくれないものもあります。規則にのっとった処理を行うようにしましょう」と語るのは、実際に実家の片づけに苦労したという、整理収納アドバイザーの伊藤まきさん。実体験を基に、自治体が回収できないゴミの捨て方について教えていただきました。 【動画】「知ってる!? 電池の正しい捨て方」 家電量販店が処理方法を解説 実際の投稿 ◇ ◇ ◇
捨てるときはルールを守って
○家電 家電の多くは、「家電リサイクル法」により処分の仕方が定められています。通常のゴミとしても、粗大ゴミとしても処分できませんので、家電量販店や収集業者に回収をお願いするか、指定引取場所で適切に処分してもらいましょう。 何十年も前の古い家電や、すでに販売するメーカーがない場合は回収が難しくなることがあるので、引き取り先がわからない家電はお住まいの自治体に相談を。なお、指定引取場所では、中に異物が残っていたり、腐食・破損がひどかったりする場合、回収を断られることがあります。 また、特定有害廃棄物であるフロン類を含むエアコンは、取りはずしを行う際、資格を持つプロに依頼する必要があります。勝手に取りはずして処理することはできないので、最寄りの電気店などに相談を。 ○コイル入りのマットレス、ソファ ベッド用のマットレスは、自治体により回収規定がさまざまです。コイルの入っていないものは粗大ゴミとして処理してくれる場合が多いのですが、コイル入りのマットレスやソファに関してはNGとしているところも。まずは、お住まいの自治体に確認を。 自治体で回収してもらえない場合は、廃品回収業者や購入した家具店への引き取り(有償)を依頼しましょう。
コンクリートや砂利も適切に捨てなければならない
○コンクリートブロック(園芸用)、砂利(水槽などの砂利)、物干し台の土台部分など 戸建て住宅につきもののこうしたアイテムは、自治体によっては「適正処理困難物」とみなされ、回収を拒否されることがあります。建設廃棄物を処理する専門業者に依頼するのが一般的です。量や種類によって費用は異なりますが、安全かつ確実に処分できます。 一部のホームセンターで無料回収してくれる場合もあるので、ダメ元で問い合わせてみてもいいでしょう。ただし、購入時のレシートが必要な場合や、コンクリートブロックをお店まで自力で運搬する必要があるので注意が必要です。ものによっては、ガーデニングやアクアリウムに利用したいという人がいるかもしれませんので、フリマアプリで譲渡先を呼びかけてみてもいいと思います。 上記のほか、ピアノや耐火金庫、古くなった消化器、古タイヤなども、それぞれ専門業者に回収を依頼するしか方法がないことが多いようです。運び出しの手間や時間を考慮すると、自治体の回収より多少高くついたとしても、不用品回収業者に依頼したほうが結果的に楽なことも。 なお、実家を古家付きで不動産業者に買い取ってもらう場合は、こうしたゴミ類を「残置物」として有償で受け付けてくれることがあります。不用品回収業者について調べる労力や時間、運び出す体力などを考えると、こちらのほうが簡単に済むので、売却を検討しているようであれば、不動産業者に相談してみるといいでしょう。
和栗 恵