エネルギー事業会社で最も早く「CO2ネット・ゼロ」を宣言…東京ガスが考える“再生可能エネルギー”の重要性とは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月12日(土)の放送は、前回の放送に引き続き、東京ガス株式会社 常務執行役員 CDOの菅沢伸浩(すげさわ・のぶひろ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
菅沢さんは、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 修士課程終了後、1991年に東京ガス株式会社に入社。その後、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 事業企画部長などを経て、2019年に執行役員 電力本部 電力事業部長に就任。2023年に常務執行役員 CDOに就任しました。
◆CO2ネット・ゼロを目指して
東京ガスでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)だけでなく“CX”や“GX”も推進しています。“CX”とは「Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)」の略で、「お客さまの体験を向上させること」と菅沢さんは言います。 一方、“GX”とは「Green Transformation(グリーン・トランスフォーメーション)」の略で、つまり、クリーンなエネルギー活用に向けた変革のこと。「東京ガスは、政府が発表する1年前(2019年)に、日本のエネルギー事業会社のなかで最も早く2050年にCO2をネット・ゼロにする宣言をしました。日本でも相当先駆的な取り組みだと思います」と胸を張ります。 具体的な施策としては、まず他の燃料に対してCO2排出量の少ない天然ガスを徹底的に使い倒すことや徹底した省エネ、さらには、再生可能エネルギーの活用にも取り組み、「例えば、一度排出されたCO2に水素を合成して“e-メタン”にし、それをまた燃やします。これはCO2を再利用しているだけなので、理論的にはCO2は増えていません。今はアメリカなどで前段の検討をしているところで、うまくいけば2030年には日本にやって来ます。ほかにも“洋上風力”に力を入れたいと思っていまして、“浮体式洋上風力”にもチャレンジしていきたいと思っています」と解説します。 続けて、「日本は資源が少ない国なので、いろいろなエネルギー源をミックスさせることが大事だと思っています。そのなかでも、再生可能エネルギーはとても重要で、今後はその割合も増えていくと思います。ただ、結構な量になるものの、それが100%にはならないと思います。それぞれのエネルギー源には良い面もあれば悪い面もあるので、それらを見比べながら、いかに社会に実装していくか。我々は時代に合わせてベストなものを作っていきたいと思っています」と声を大にします。