「メタノールで妻殺害」初公判 「第一三共」元エリート研究員は無罪主張 家庭内は「不倫」「風俗通い」で修羅場だった…妻は夫に「臭い」と消臭スプレー
双方が「不倫していた」と訴えた弁護人
また吉田被告が15日に携帯電話で撮影していた焼酎パックにはメタノールが付着していた痕跡があり、同日、外出して普段は買わない焼酎パックを購入する証拠隠滅行為もあったとした。そして「容子さんには自殺を伺わせる言動や動機もなかった」「被告人以外の第三者がメタノールを摂取させたとは考え難い」と締め括った。 一方の弁護側は、容子さんが第一三共の社員だった頃、容子さんの社内不倫が発覚し、それが原因で容子さんは退社したと述べた。その後、長男が誕生したが夫婦仲は悪くなる一方で、その背景には容子さんの退社後のキャリアがうまくいかなかったことが影響していたと主張した。 容子さんが「臭いから寄ってこないで」などと子供のいる前でなじってくることに吉田被告は悩んでいたが、「子供のことを考えると別れることもできず、我慢して同居生活を続けていた」と述べた。 吉田被告も一時社内不倫をしていたが、容子さんと別れるつもりがなかったので別れを選んだとも明かした。容子さんがメタノール中毒に苦しんでいた時、すぐに119番通報しなかったのは「二日酔い」と考えていたからで、当時はコロナ禍の最中で安易に救急車を呼べる状況でもなかったと反論。「容子さんが自分でメタノールを摂取した可能性がある」と訴えた。 裁判は月末まで全15回の日程。検察側・弁護側双方が解剖医や薬学の専門家などを証人として呼び、徹底して争われる予定だ。
デイリー新潮編集部
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