【リテールメディア最新事例10選】米国企業のリテールメディアネットワーク活用注目トピックまとめ
小売業界でリテールメディアネットワークの活用が進んでいます。記事では、米スーパーマーケット大手のWalmart、米ホームセンター大手Home Depotなどの事例を中心に、注目度の高いトピックを紹介します。
2024年はリテールメディアネットワークの活用が拡大
リテールメディアネットワークとは、小売事業者が自社のデジタルチャネル上の広告スペースを第三者に販売できる広告プラットフォームの一種です。広告主は会員制プログラムの情報を含む、小売事業者が自社で収集した顧客データを利用し、広告のターゲティングを行うことができます。広告はリテールメディアネットワークのWebサイト、モバイルアプリ内、店舗内のスクリーンやディスプレイにも掲載できます。
リテールメディアネットワークは、2024年の小売業界で最も注目するべき項目の1つ。顧客基盤を収益化し、販売するブランドの広告機会を創出しようと、小売事業者のリテールメディアネットワークを活用する動きは加速。その投資額が拡大していることからも、高い関心が寄せられていることがわかります。
リテールメディアネットワークを活用した2024年の成功事例として、Walmart、Home Depot、米高級百貨店チェーンSaksなどの大手小売事業者が、リテールメディアネットワークの拡大、リブランディング、新たなブランドの創出、新たな成長戦略の発表などがあります。 小売事業者によるリテールメディア戦略の解説 こうした動きは今後もさらに拡大していく可能性があります。米国の大手コンサルティング企業Deloitteが2023年12月に発表した調査結果によると、小売事業者の64%が「2024年末までにリテールメディアネットワークの導入を計画している」と回答しました。 リテールメディアネットワークは、小売事業者にとって新たな収益源になります。2024年のリテールメディアネットワークによる主なトピックは次の通りです。 ■ 1. AlbertsonsとCriteoの提携 米国の大手食品メーカーAlbertsonsでは、広告部門を担うグループ企業Albertson Media Collective(アルバートソンズ メディア コレクティブ)が、コマースメディアプラットフォームのCriteoと提携、広告主向けに店舗内のリテールメディアを拡大しています。Criteoは、動画広告やコマースディスプレイのような新しい広告フォーマットの開発を支援しています。 Albertsonsは、自社が収集した顧客データ、店舗での売り上げ、その他の消費者の情報を組み合わせ、広告主により優れたターゲティング広告を配信できる場を提供しています。 ■ 2. InstacartがGoogleショッピングと連携 米国で食料品の即日配達サービスを展開しているInstacart(インスタカート)は2024年1月、Instacartのプラットフォームに出稿する広告主がGoogleショッピングにアクセスできるようにすると発表しました。 「Instacartのプラットフォームとファーストパーティを活用した小売メディアのデータを活用することは、消費者向けのパッケージ商品を扱うブランドにとって重要な差別化要因になります」と、Instacartの最高マーケティング責任者であるローラ ジョーンズ氏は説明します。