新たに「100年人生ゲーム」 目指すは“億万長者”ではなく幸福度【WBS】
億万長者か貧乏か? ルーレットによって人生の筋道が決まる人生ゲーム。通常はお金や資産を集めて億万長者を目指しますが、タカラトミーなどは新たに全く違う価値観で競う「100年人生ゲーム」を開発しました。その時代の世相を表す人生ゲームの最新版にはどんな山や谷があるのでしょうか。 東京・巣鴨のカフェで客が楽しんでいたのは最新版の人生ゲームです。これまでの人生ゲームというと、1989年の平成版では「晴海でコンパニオンギャルをナンパ。100万円散財」や2002年のアントニオ猪木版では「闘魂政治家になれる!」など世相を時代の経済状況とともに切り取り、億万長者になった人が勝者になるゲームでした。 しかし今回の最新版はルーレットを回してコマを進めるのは今までと同じルールですが、お金ではなく、幸福を点数化したウェルビーイングポイント(ウェルポ)を集めます。例えば「終活で気持ちが楽に、心が自由に。8万ウェルポ得る」「イベントでスタッフから塩対応。1万6000ウェルポ失う」など幸せを集め、幸福度が高い人が勝ちというものです。 なぜ幸福度なのでしょうか。タカラトミーと共同開発した「100年生活者研究所」の田中卓副所長は「100年人生を前向きに生きていくためには、ポジティブなことに目を向けることが大事ではないかと考えた」と話します。 日本の平均寿命は延びていますが、長生きを前向きに捉えている人は少ないといいます。研究所の調査では、100歳までの人生について「不安が増える」と答えた人は6割に上ります。ゲームのマスにあるエピソードは1万人以上からアンケートをとり、実際の体験談から作成。1年半かけて開発しました。 ゲームを体験した人からは「立ち止まったマスで語られていることが楽しい。それ自体が幸せを与えてくれる」「やっぱり幸福度より現金の方が」との声が上がりました。 ゲームは、特に30~50代をターゲットにしています。 「30~50代は人生の幸福度でいうと比較的悩んでいて幸福度が下がる年齢。まだ50年以上残っているので、ゲーム体験でどう過ごしていくか考えてほしい」(田中副所長) ※ワールドビジネスサテライト