元幹部逮捕で激震続き「日本PTA全国協議会」の闇 文科省が距離を置く?内閣府から勧告もあった
内閣府による報告要求、勧告の中身
2024年9月、内閣府公益認定等委員会が、日Pに立ち入り検査を実施。その結果、内閣府は「不適切な状況が確認され、公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力に疑義が生じている」として、行政指導。同年10月、日Pに対し「報告要求」を行った。 関係者によると、「報告要求」の文書には、 ・ 事務局及び事務局次長が不在の状態が複数年生じている。 ・ 印章管理規程によると、法人印、会長印、代表理事印、銀行印をそれぞれ保有しているように定められているが、現物確認を行ったところ、会長印、代表理事印、銀行印は同一のものだった。 ・ 2023年度事業報告を承認する理事会開催が失念のために遅れ、総会までの期間が法定日数に不足している。 ・ 役員変更後、2週間以内に変更の登記がされておらず、法定の役員変更届け出書が3カ月以上未提出である。 など、公益法人としての管理・運営能力、日P会館改修工事についての理事会の運営及び役員の認識について計9項目が記され、再発防止策を含めた報告書提出を求めた。当の日PのHPには、 「今回の立ち入り検査は、公益法人認定法に基づき概ね3年に一度行われる定期的な検査であり、運営の違法性を前提とした調査ではないと承知しております」という記載があったが、金田氏は、「私が専務理事のときの立ち入り検査では、軽微なもの数点の指摘のみでした」という。9項目もの報告要求は、公益社団法人としての存続の危機を感じさせる深刻な内容なのではないか。 「指摘事項にもあるように、この行政指導は、完全に現在の日P執行部の運営体制に問題があるがゆえのものです。現在の日Pは、公益社団法人でありながら、定款や一般社団法人法を理解せずに運営されているといっても過言ではありません。法人である以上、『知らなかった』ではすまされず、社会に対して責任を果たす必要があります」 その後日Pは、内閣府公益等認定委員会に、公益法人の管理・運営能力、日P会館改修工事についての理事会の運営及び役員の認識、今後の再発防止策について、報告書を提出した。 しかし金田氏は、「この数年間のことについて報告するはずなのに、日Pからは、この数年間の状況を一番把握している私に対し、何の聞き取りもありませんでした」と言う。 そして24年12月25日。内閣府公益認定等委員会は、日Pに対し、公益法人認定法に基づき運営状況を是正する勧告を出した。 「日Pからの報告内容は具体性に欠け、十分に議論された形跡も見受けられない」と指摘し、 ・日P会館改修工事に伴い元役員が背任罪に問われている事件について、毀損した財産額や責任の所在、回復方法を明らかにし、再発防止策を策定する。 ・継続的な法人運営を確立するため、事務局長をはじめとする役職者および事務員を確保し安定した事務体制を整備する。 などについて、今後1年以内にとる具体的かつ実効性のある計画を策定し、2025年3月31日までに行政庁に書面で提出することを求めている。改善がみられない場合、命令や認定取り消し処分になる可能性もある。 翌12月26日に日PのHPには、 「勧告の内容に真摯に対応し、改善計画の策定を進め、公益社団法人としての運営の適正化 ・改善に努めていく」という旨の記載があった。 「日Pは、組織を根本から立て直すしか再生の道はありません。2022年から2024年の3年間で何が起きたのか、私を含め、該当年度の役員を徹底的に調査し、役員全員が一度退く。そして、真摯に組織改革に取り組む意欲のある新しいメンバーで、組織を作り直したほうがよいと思います」