出会いの春、優しいニュアンスカラーはうっとり素材のロロ・ピアーナで
■渋め色光る自然体ルック コントラストでメリハリ
植物や鉱物に由来する自然界の色は、主張しすぎないから、自分好みに着こなしやすいメリットがあります。お仕事ルックでも取り入れやすそうな重宝なトーン。ナチュラルな雰囲気をまとえる長所を生かして、穏やかなキャラクターを印象付けてみましょう。 渋めの色調は日本文化の得意とするところです。茶色やグレーのバリエーションの多さは「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉があるほど。こちらのパンツは日本の石をイメージしているそう。大胆なハイウエストですが、主張を抑えたカラーのおかげで程よい収まり具合に。シャツの色は「sencha green(煎茶グリーン)」。ひじのあたりから細くなる切り替え袖を濃淡が際立たせています。 ベージュ系の色は日本人女性の大好物です。手持ちワードローブとの相性に悩まないで済むのに加え、出番を選ばないのが支持される理由。はっきりした色とのコンビネーションで互いを引き立てるような使い方に向いています。 全体を穏やかにまとめているのは、「ginger root(ショウガの根)」と名付けられたベージュ系カラーのロングコート。長い着丈と相まって、やわらかい表情を漂わせています。煎茶グリーンでそろえたシャツとスカートのセットアップはコートとのコントラストが鮮やか。裾からのぞくレギンスは黒に近いグリーンです。少しずつ色をずらすことによって、立体感が生まれ、重ね着でもかさばって見えにくくなります。
■素材や柄が異なる同士、マリアージュでムード深める
ニュアンスカラーは天然素材との相性に優れています。サステナビリティー(持続可能性)素材として再評価が進むレザーはその代表格。リネンやシルク、コットンの風合いを引き出す上でも中間色はいい仕事をしてくれます。 カーフスキンのスカートは丁寧になめしたレザー特有のつやめきがブラウンカラーと折り合っています。シルクとコットンがミックスされたワイン系のニットトップスで上下のムードをずらして。リネン仕立てのコートで凜(りん)としたムードを重ねました。近い見た目の「お隣カラー」をパッチワークのように組み合わせた異素材ミックスでこなれた印象に。異なる素材のマリアージュがムードを深くしています。 パステルトーンのような淡い色は春の装いにぴったりです。梅や桜の花が咲く時期にふさわしいほのかな暖色を取り入れやすく、春らしいムードを呼び込めます。花柄と組み合わせると、一段と季節感が強まりそうです。 淡いピンクを基調色に選んで、甘すぎないフェミニンを薫らせています。ピンクは甘く見えがちですが、このような控えめトーンなら上品な華やかさを演出できます。ニュアンスカラーならではの、ほんのり感が、梅モチーフのスカートを「大人かわいい」雰囲気に軟着陸させました。一方、ブラウスは桜柄です。ボタンが斜めに走るウイットフルなディテールに、リネンとコットンの質感が生きています。春を象徴する桜と梅の両方を上下でまとう「梅春コーディネート」です。