《群馬・伊勢崎》「夫と息子です。加害者の方、見ていますか」飲酒運転死亡事故、遺族の苦しみ
加害者の飲酒運転で《また殺された》
鈴木容疑者が逮捕された数日後、湊斗くんの母親はSNSにこう投稿した。 《加害者が逮捕された日、初めて飲酒運転だと知らされました。聞き間違いかとも思いました。なので聞き返しました。でも飲酒運転だとハッキリ言われました》 酒が飲みたい――。そんな自分勝手な欲求が、3人の命を奪ったのだ。そして、湊斗くんの母親はこうも綴った。 《私達家族は加害者が逮捕された日、また殺されたようなものでした》 今は、夫・寛人さんの忘れ形見である生まれたばかりの幼子と2人、新築の家で生活する日々を送る。
8月下旬、『週刊女性』が事故現場となった伊勢崎市の国道17号沿いを訪れると、花やジュース、キャラクターの人形などが供えられていた。その一方、ここで事故があったことなど知らぬかのように、通行する車は猛スピードで駆け抜ける。 「ここの道路は、みんな時速80㎞は出していますよ。90㎞だしてる人もいるんじゃないかな。直線が続きますから、スピードを出したくなる気持ちもわかるんだけどね」 そう話すのは、タクシーの運転手だ。
疑われる飲酒運転の常習性
実際、法定速度である時速60㎞ほどで走行するタクシーを、後続から来る乗用車やトラックが次々と追い越したかと思えば、どんどん引き離されていく。過剰にスピードを出す車ばかりだ。 鈴木容疑者も、事故を起こしたときには時速90㎞で走行していた。仮に法定速度さえ守っていれば、これほどの大事故にはならなかった可能性もある。だが、タクシーの運転手は、続けてこんな衝撃の事実も明かす。 「酷い事故だったよね。隠れて飲むなんて。でもね、飲酒運転している運転手って、けっこういると思うんだよ。というのも、事故現場の近くのコンビニは、トラック運転手の休憩所になっているんですけど、そこで夜、トラックを停めた運転手が、タクシーで市街地まで酒を飲みに行っていると聞くんです」 国土交通省の飲酒運転防止マニュアルによれば、アルコール度数5%のビール500㎖を飲んだ場合、体内でアルコールが分解される時間の目安は約4時間とされている。もちろん、この分解時間の目安は性別、体重、体質、体調によって変化する。つまりアルコール度数5%の缶ビール2本を飲んだら、約8時間は最低でも運転できないということ。