【時系列でわかる⑤】イスラエル首相「ハマスとの戦いはやめない」停戦には応じない考え(25日~30日)
10月7日、中東パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」が、イスラエルに向けてロケット弾などによる激しい攻撃を開始。イスラエル側も反撃し、武力衝突が激化しています。 イスラエルのネタニヤフ首相は30日、ハマスとの戦いはやめないと述べ、停戦には応じない考えを示しました。現地メディアなどによると、イスラエルの地上部隊はガザ市郊外で「大規模」な地上作戦を実施していて、映像には、イスラエル軍のものとみられる戦車が道路を走る乗用車を攻撃する様子が映っています。 一方、ハマス側は、人質にとっているとする女性3人の映像を公開しました。この中で女性3人はネタニヤフ首相の対応を批判していますがイスラエル政府は、「ハマス側のプロパガンダだ」と反発しています。 武力衝突をめぐる動きを、時系列でまとめます。
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■10月25日 「地上侵攻を準備している」イスラエル首相が明言
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻が焦点となる中、イスラエルのネタニヤフ首相は、「地上侵攻を準備している」と明言しました。 ネタニヤフ首相は25日に声明を発表し、「すでに何千人ものテロリストを排除しているが、これは始まりに過ぎない。同時にガザ地区への地上侵攻も準備している」と述べました。ガザ地区の住民に対しては、南部に退避するよう改めて警告していますが、侵攻の時期など詳細については明らかにせず、挙国一致内閣が中心となって全会一致で決定すると述べるにとどめました。また、人質の解放については、「あらゆる手段をつくす」と強調し、イスラエル国民に対しては、防衛のため武器を携帯するよう勧めています。 一方、ネタニヤフ首相の発表直後に会見したアメリカのバイデン大統領は、イスラエルがハマスの攻撃に対する自衛権を持つことを強調しつつも、「民間人を守るために全力を尽くすべきだ」と改めて求めました。「イスラエルとパレスチナは同じような安全、尊厳、平和を得るのに値する」とも強調しています。 こうした中、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは25日、イスラエルがアメリカの要請により地上侵攻を遅らせることに同意したと報じました。アメリカが中東地域に駐留する米軍を守るため週内にも防空システムを配備するまで待つよう要請したとしています。 一方、イスラエル軍は24日から25日にかけてもガザ地区への空爆を続け、24時間で756人が死亡したということです。一日の死者としては、これまでで最も多いとみられます。 ガザ地区では燃料不足も深刻化していて、ガザで活動する国連機関は25日夜にも支援活動に必要な燃料が尽きると訴えているほか、35の病院のうち12の病院は、燃料不足などですでに運営を停止しているということです。燃料をめぐっては、イスラエル側が、ハマスに軍事目的で利用されることを懸念していて、いまだ搬入を認めていません。