【時系列でわかる⑤】イスラエル首相「ハマスとの戦いはやめない」停戦には応じない考え(25日~30日)
■10月26日 EU首脳会議 ガザ地区「戦闘の一時停止」など求めることで合意
EU(=ヨーロッパ連合)は首脳会議を開き、人道危機が深刻化しているパレスチナ自治区ガザ地区をめぐって「戦闘の一時停止」などを求めることで合意しました。 EUは26日から2日間の日程で首脳会議を開き、イスラエル・パレスチナ情勢などについて協議しました。 会議では、ガザ地区に支援物資を運び込むため、イスラエルとイスラム組織ハマスに対し、「人道回廊の設置」や「戦闘の一時停止」を求めることなどで合意しました。 また、220人以上とされる人質については、ハマス側に対し、無条件で直ちに解放するよう求めています。 国連が呼びかけている「停戦」については「イスラエルの自衛権を否定しかねない」などとして、意見がまとまりませんでした。 一方、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナへの支援をめぐっては「必要な限り、財政的、人道的、軍事的な支援などを提供し続ける」ことで合意しました。 ただ、ロイター通信によりますと、ロシア寄りとされるハンガリーと、ウクライナへの武器供与の停止を表明したスロバキアは、合意前に難色を示したということで、EUの足並みが乱れています。
■10月27日 イスラエル軍 ガザ地区で「作戦拡大」 軍報道官「正式な地上侵攻ではない」
イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区で地上部隊が作戦を拡大していると発表しました。一方、イスラム組織ハマスは徹底抗戦する構えを見せています。 イスラエル軍の報道官は27日夜、ガザ地区での地上部隊の作戦を拡大し、ハマスの地下施設やインフラなどを攻撃していると明らかにしました。ロイター通信などはガザ地区で携帯電話やインターネットなどが使えなくなっていると報じています。 イスラエル軍は26日と27日にガザ地区で限定的な地上作戦を行い、地上侵攻が近いことを示唆していましたが、イスラエル軍の報道官はアメリカABCへのインタビューで「今回の作戦拡大は予想されている正式な地上侵攻ではない」としています。 一方、ハマスの軍事部門は、ガザ北部の複数の場所でイスラエル軍の侵攻に立ち向かい、激しい戦闘が行われたと明らかにしました。そのうえで「侵略を阻止するための準備は整っている」との声明を出し、徹底抗戦する構えを見せています。 アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官はイスラエル軍の行動について、「我々アメリカが“越えてはいけない一線”を引くつもりはない」と述べました。ただ人道援助の拡大や人質解放のために「戦闘の一時停止」を支持する考えも示しています。