大谷翔平の右肘手術濃厚に全米で賛否噴出「不愉快」「なぜ手術遅らせる?」
エンゼルスの大谷翔平投手(24)の右肘の内側側副靭帯に新たな損傷が生じたことが発表され、トミー・ジョン手術を勧められる事態に発展して全米が大騒ぎになっている。大谷は、右肘の異常で6月8日に故障者リスト入りしたが、手術は選択せず、自身の血小板で組織の修復などを図る「PRP注射」での治療で、7月3日に打者としてメジャー復帰し、この2日のアストロズ戦で3か月ぶりに投手復帰したばかりだった。 USAトゥデイ紙は「エンゼルスが野球ファンにとって不愉快な大谷へのトミー・ジョン手術の勧め」との見出しを取り「大谷翔平にとって不愉快。エンゼルスにとっても不愉快だ。そして残りの我々メジャーリーグのファン全員にとっても不愉快だ」と厳しい論調で報道した。 「大谷は、レンジャース戦で水曜日に先発メンバーに名を連ねた。手術を受けるまではDHに残ることができるが、なぜ手術を遅らせるのだろうか。大谷が手術を回避して、エンゼルスの先発メンバーに残ることは可能だが、彼が、1年で50本塁打を打ち始めるようなことがなければ、ベーブルース以来の野球界にとって最大の二刀流の才能をDHの起用だけにしてしまうことは理解できない」と、今なお、打者として出場を続けさせている球団の方針を批判。「この男は、確かに打つことができるが、最大の才能はマウンド上にある。例えサイヤング賞を何度も取れなかったとしても野球界でトップ5の1人になることができる」と続けた。 だが、一方で、「ファンは、当初、ア・リーグ西地区での優勝の可能性がなくなったエンゼルスが、今シーズンの大谷の投手復帰を認めたことに対して冷ややかな反応だった。だが、一歩下がって、一呼吸おいてみよう。エンゼルスは、確かに正しい決断を下したのだ。もし彼らが大谷の投球をもう一度見ることを来春のキャンプまで待ち、そこで彼にトミー・ジョン手術が必要なことが判明したら、2021年とまではいかないが2020年シーズンの後半まで投手として復帰できなかっただろう。今の判断なら、少なくとも、彼を14から16か月休ませ、2020年にローテーションに戻すことができる」と、早急な判断を前向きにとらえた。 記事は「これは誰の過ちでもない。誰も責めることはできない」と続け、「大谷が、今日、悲嘆にくれたことはわかる。我々もだ。彼はマウンドに立ち、また打席に向かって歩くだけでも我々を魅了した」と、大谷の気持ちを汲んだ。また大谷が大リーグの労使協定の適用外となる25歳まで待てば、最低2億ドル(約220億円)を得ることができたのに、メジャーでの夢を追い、最低年俸の54万5000ドル(約6000万円)で契約したという経緯を紹介。「彼がいつか(その実力に見合った)金額を受け取ることを願っている。また彼が投げ、打ってくれることを願っている。この18カ月があっという間に過ぎることを願っている。大谷は、確かに我々の食欲をそそるが、2020年まで我々はそのメインコースを待っていよう」と締めくくった。